AI・機械学習 ガートナージャパン

人材の情報処理能力改善に取り組まないIT部門は8割が縮小--ガートナー展望

ガートナーが日本のテクノロジー人材の将来展望を発表。今後3~5年で重要になる5つの動向として推測。

 ガートナージャパン(港区)は4月2日、日本のテクノロジー人材の将来に関する展望を発表した。デジタルトランスフォーメーションなど企業ビジネスを変えうる変化や、運用をモード1、イノベーションをモード2とし、両面を並行して取り組む“バイモーダルIT”という新しい概念のフレームワーク、人工知能 (AI) をはじめとする先進テクノロジー、更には重要度が増加するオープンソースソフトウェア (OSS) など、昨今のテクノロジーはかつてない高度化、進化の様相を呈し、これまで以上に重要になると説明。

 企業におけるテクノロジー人材の重要性も増加しているという。今後3~5年で重要になる動向として5つに大別して紹介。企業は重大な影響を認識し、早期に取り組むべきとしている。

2022年までにAIを「自分で運転」する基礎スキルを習得

 昨今のAIブームに則り、ベンダーとの概念実証(PoC)を実施する企業が増加。AIを「自分で運転」する必要性の理解が進んでいるという。一方、多くの企業はどこからスタートすべきか把握できていないとしている。

 2018年以降、国内でもAIを学べる書籍やオンライン講座が多く登場しているという。始めようと思えばすぐに学習に着手できる環境が整いつつあり、実際にAIの試行機会を紹介した顧客のすべてから前向きな反応が得られているという。2022年にはテクノロジー人材のほとんどがAIの基礎知識を自ら習得すると予測している。

2023年までに人材の情報処理能力改善に取り組まないIT部門は8割が縮小

 AI、IoT 、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)、ブロックチェーンなどの新たなテクノロジーは幅を広げ、それぞれが継続的なトレンドとして変化し続けているという。テクノロジーがもたらす大量の情報を正しく効率的に取得、判断して行動につなげる「人材の情報処理能力」が重要になると説明している。

 IT部門がこうした能力に注目せず、従来のスピードで情報収集、判断、行動を続けると、顧客や社内の他部門からの信頼を失う可能性があると指摘。デジタル化に関わるのが難しくなり、コスト削減や人員削減を核とする縮小戦略を取らざるを得なくなるとしている。

2024年までに人月単価ベースのプロジェクトを継続する企業の9割はOSSプロ人材の獲得に苦慮

 日本企業のOSSに関する人材投資が高まっているという。2018年2月のガートナーの調査では、OSSに対する取り組み方を変えた企業の39%が育成、投資を強め、27.2%が「OSSのスキルを有する人材を雇用した」と回答したという。2017年の20.9%から上昇したとしている

 クラウドやAIなど昨今の新興IT領域を各種のOSSがリードしている事実があり、各企業が求める“OSSプロフェッショナル”の必要性は明らかと指摘。今後の獲得競争を予想している。すべての企業は今後のテクノロジーの礎はOSSスキルと人材という事実を認識し、人材不足問題や人材獲得競争に備えるべきとしている。

2022年までにイノベーションなどに有効策が取れないSIerの8割は若手の離職が深刻化

 日本のベンダーやシステムインテグレーター(SIer)は、モード1、モード2双方で大きな課題を抱えているという。モード1の課題には、クラウドの進化によって将来的にSIビジネスが不要になるという“SIビジネスの破壊”、モード2はユーザー企業の内製化が進み収益増が期待できなくなる、アジャイルを前提とするため現場が回らない、どのような契約を結ぶべきかが複雑になる、などの点を挙げている。

 こうした課題を、“今後SIはどうやって生き残るかという論点を含む根の深いもの”と説明。既存のSIビジネスは10年以内に破壊される可能性が高いと予測する。課題を解決する取り組みが見られない企業は優秀な人材に見切りをつけられるとしている。

国内ベンダーから人材を中途採用するユーザー企業は2021年までに8割越え

 ユーザー企業におけるIT部門の位置付けが大きく変化しているという。従来は社内の従業員を対象にITサービスを提供していたIT部門は、ITで自社の顧客やパートナーを巻き込んだエコシステムを構築。サービスとして提供するようになると予測している。

 サービスに必要なテクノロジーだけでなく、モバイル、クラウド、IoT、AI、ロボティクスなどの新たにチャレンジすべき対象も増加。テクノロジーの進化と、新たなテクノロジーの適用領域が拡大し、IT部門にかかる期待と直面するチャレンジが増加するという。

 しかし、従来の業務に多くの時間や予算を取られている実情があり、新たな領域へのチャレンジは困難を極めているという。

 ユーザー企業は新たなテクノロジーの浸透と、それらを駆使したビジネスへのチャレンジに関して主導権を取る必要があると説明。

 自社が関わるITと提供するサービスの方針、設計、構築、日常的な機能追加や最適化、非常時の対策など、主体的に動く体制を確立することが第一となる反面、既存のIT部門の人材を育成するだけではこれらを実現できない企業が多いと予測しているという。これまでベンダーにアウトソースしていた作業の一部を自社で賄うべく、ベンダーでの経験が豊富な人材の獲得を推奨するとしている。

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