人事・労務

残業時間の上限規制、システム対応済みは2割--有休義務化では1割強

4月から施行される働き方改革関連法で残業の上限規制への対応として「残業時間が上限に近づいたタイミングで、対象者やその上長に注意喚起メールを自動送信する」などの取り組みが進められている。

 ワークスアプリケーションズは4月から施行される働き方改革関連法への対応をユーザー企業を対象に調査。3月12日に結果を発表した。

 働き方改革関連法で特に注目を集めているのが、時間外労働(残業)の上限規制。上限は月100時間/年720時間に設定。月45時間超は6カ月まで、かつ複数月の平均80時間が上限だ。上限規制は大企業が2019年4月から、中小企業は2020年4月からの運用となっている。上限規制では罰則が適用されることも強く意識されている。

 この上限規制について調査結果からは「勤怠管理システムで勤務入力をする画面上に注意喚起のメッセージを表示させる」「月45時間、60時間のように残業時間が上限に近づいたタイミングで、対象者やその上長に注意喚起メールを自動送信する」といったユーザー企業の実態が明らかになっている。

 すでにノー残業デーや一斉消灯などの残業の短縮を図る施策を実施しているが、形骸化してしまっているケースも少なくなく、自立的、継続的な行動を促す仕組みが必要とされていると指摘。働き方改革を見かけ倒しで終わらせないために人事部門や経営層が旗を振り、従業員一人ひとりの意識を変えていくことから前向きに向き合うことが求められていると解説する。以下は、調査で見えてきた残業短縮のために実際に取り組まれている施策。

  • 残業時間が一定値を超えた場合には、経営会議に対象者の部門長が出席するよう義務付け。経営層も巻き込み改善策などを徹底議論することで、経営と現場をつなぎ、経営資源等を考慮した課題の根本解決が可能に
  • ポータルサイトで部門別の時間外労働や年次有給休暇取得に関する目標値、実績値を開示。実績の見える化により、達成感や向上心の醸成を図るとともに、自発的に切磋琢磨する風土づくりを。ただし、個人が特定されうる少人数の部門などは開示対象から外すなどの配慮も欠かせない
  • 月や年単位で労働時間の調整を図る変形労働時間制の導入により、一部の業態によっては繁閑期などに応じて勤務シフトを作成できるようになったことで、長時間労働の抑制に効果があったという事例も。しかし、導入にあたっては現場への丁寧な説明を行うなど、理解醸成を促す仕掛けが必要
  • 現場部門の上長にて、所定労働時間残数と想定される業務量を掛け合わせて、業務とリソース配分の調整を実施。チームマネジメントを行う上での有効な定量情報の一つとして活用にいたった事例が挙げられた。その反面、事業部を超えた人材の再配置には、まだまだ組織的な業務体制や権限と責任の明確化といった課題が浮き彫りに
図1:上限規制に対する運用方針(有効回答数100、複数選択可、出展:ワークス)
図1:上限規制に対する運用方針(有効回答数100、複数選択可、出展:ワークス)

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