ほとんど使い物にならない低価格コンピュータに意味はあるのだろうか。
筆者がこの疑問を感じたのは、35ドルの新しいシングルボードコンピュータ(SBC)である「Orange Pi 3」のテストを終えた後だ。同端末のスペックシートでは、「Raspberry Pi 3 Model B+」の性能を上回り、CPUとGPUはさらに高速で、より大容量のメモリを搭載し、4Kディスプレイを使用可能とされている。
問題は、そうした理論上の高性能を引き出すのが難しいことだ。提供されたソフトウェアにバグが多すぎて、基本的な機能すら満足に動作せず、不具合もある。市場には不安定な低価格シングルボードコンピュータがあふれており、数少ない安定したプラットフォームを提供するというRaspberry Piの役割が、今回の体験によって大いに際立つことになった。
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