RPA

人とロボの業務をすみ分ける--パーソルテンプスタッフのRPA活用術の慎重さ

「直感的にプログラムを組めるRPAは、皆が好き勝手に開発し、属人化のリスクを抱える」――。パーソルテンプスタッフはRPAを活用しているが、意外な姿勢で取り組みが進められている。

 大手人材派遣会社であるパーソルテンプスタッフも多くの企業と同様に、増え続ける仕事量やコスト増に伴う構造改革を迫られていた。そこで同社はロボティックプロセスオートメーション(RPA)の活用を進めている。

 RPAツール「UiPath」を提供するUiPathは1月30日にイベント「#UiPathForward Japan」を開催。パーソルテンプスタッフ 業務改革推進本部 本部長 渡部広和氏が「スケーラビリティ。RPAは小さく始めて大きく育てる」という講演に登壇して、同社のRPA活用を解説した。

 2017年5月に1人でスタートした、RPAの推進部署は一定の実績を上げた後、現在は20人弱の体制となっている。「2018年末にはよく言われる“クラス2”といわれるAI+OCR(光学文字認識)の運用も開始し、日々順調に拡大している」(渡部氏)という。

パーソルテンプスタッフ 業務改革推進本部 本部長 渡部広和氏
パーソルテンプスタッフ 業務改革推進本部 本部長 渡部広和氏

 同社はRPAツールとしてクライアント型とサーバ型の6製品を選定対象としてきたが、最終的には「接続性」「製品バリエーション」「内製化可能」の観点からUiPathを選定している。渡部氏は「他社製RPAは接続性に問題が発生したものの、UiPathは起動できない、つながらないアプリ(ケーション)は1つもなかった」と選定理由を説明した。

 クライアント型に類するUiPathは、同社にとって初期投資額も小さく投資対効果(ROI)的にも利点が多かったという。UiPathによるロボットの開発についても、「UiPathの難易度はぎりぎりで内製化できるレベル。他社製サーバ型は(難易度の面で)われわれに扱えなかった」(渡部氏)と開発環境についても言及。このようにパーソルテンプスタッフでは、ロボット開発を社内で取り組んでいる。

 通勤交通費の経路チェックをはじめとする3業務で概念実証(PoC)を回した結果、「人とロボのすみ分け」「プログラムの部品化」「開発プロセスの手順化」という3つの気付きがあったという。

 「最初は何でも一気通貫で自動化すべきだと思っていたが、(PoCを通じて)勘違いであることに気付いた。業務の切り分けが重要であり、無理にロボット化すると分岐が複雑で、開発難易度を飛躍的に高めてしまう。業務変更時の改修なども大きく影響する」(渡部氏)

 残りの「プログラムの部品化」「開発プロセスの手順化」についても、「開発工程をシンプル化するために欠かせない。また、直感的にプログラムを組めるRPAは、皆が好き勝手に開発し、属人化のリスクを抱える」(渡部氏)という。そこで同社は人とロボットの業務すみ分けを可能とするために要件定義書の可視化を徹底するようになった。

パーソルテンプスタッフによる契約延長確認業務のプロセス。一部でロボットを稼働させている
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