企業がランサムウェアによるデジタル詐欺の被害を避ける方法については、多くのことが書かれてきた。「ランサムウェア感染は、誰かが一見無害な添付ファイルをクリックしてしまったことが原因で始まることが多い。重要なファイルや文書(スプレッドシートやインボイスなど)が突然暗号化されてアクセス不能になれば、あらゆる規模の企業にとって頭の痛い問題になり得る」と米ZDNetのDanny Palmer記者は「What is ransomware? Everything you need to know about one of the biggest menaces on the web」(ランサムウェアとは--ウェブで最も大きな脅威の1つについて知っておくべきすべてのこと)という記事で述べる。「ファイル暗号化ランサムウェアで攻撃された場合、被害者が企業データを取り戻すために身代金を支払うまで、犯人はそのデータを人質に取ると厚かましくも宣言する」(同記事)
あらゆる警告が発せられているにもかかわらず、ランサムウェアは比類なき成功を収めている。さらに悪いことに、デジタル詐欺師は今では中小企業を標的にするようになった。多くの場合、中小企業には十分なリソースがないため、ランサムウェア対策に着手することさえできない。その損失は恐るべき規模に達している。このRiskIQのインフォグラフィックによると、ランサムウェアは年間80億ドルの損失を企業にもたらしているという。
ランサムウェアが中小企業に及ぼしている影響に目を向けると、Dattoが計10万社の中小規模企業(SMB)と取引のある1700のマネージドサービスプロバイダー(MSP)を調査し、その結果を「Global State of the Channel Ransomware Report」(チャネルランサムウェアの世界的な現状に関する報告書)という文書で発表した。Dattoは中小企業をMSPとマッチングする組織だ。同文書の冒頭では、ランサムウェア攻撃の件数は今後も増え続けると調査回答者の99%が考えていることが述べられている。次に、Dattoの最高技術責任者(CTO)のRobert Gibbons氏によると、調査したMSPの約75%は、SMB顧客がランサムウェア攻撃の結果として「ビジネスを脅かす」ダウンタイムを経験したと述べたという。これはかなり暗い見通しだ。
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