情報経済を生き抜くことがもたらす明らかな影響のひとつとして、組織に雇われる人材を資産として(少なくともある程度において)扱うようになることが挙げられる。生産施設で原材料を最終製品へと無限に作り変えることができないように、クリエイティブな人材がアイデアを練って実行に移すためのタイムバジェットも限られている。それは、販売契約の成立であろうと、コンテンツ作成であろうと、その他何らかのプロセスにおける定量化可能なマイルストーンであろうと変わりはない。そのため、企業資源計画(ERP)や人材管理(HCM)、顧客関係管理(CRM)を実質的に分けている境目にはほころびが生じ始めている。だが、こうした3分野を管理する際に企業で使われるツールは、こうした状況にしかるべきスピードで対応していない。
Third Stage Consultingがこのほど公表した「2019 Digital Transformation, HCM, and ERP」(2019年のデジタルトランスフォーメーション、HCM、ERP)と題したレポートによると、こうした相対的な迅速性の欠如が、ERPシステムを大きく見直すきっかけになりつつあるという。プロフェッショナルらが管理したいと考えるのは、ERPプラットフォームではなく自らの仕事である。そのため、最もよく使うERPソフトウェアが比較的大きな見直しの対象となっている。仕事を片付けるにあたって最も手を出しやすいツールこそが最も使われやすいことから、CRMプラットフォームと従来考えられてきたSalesforceやWorkdayなどのシステムをERPとして使うということが起こっている。
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