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「Raspberry Pi」の歩みをたどる(4)--予想外の成功が生んだ課題と今後の向かう先

シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」の開発の経緯を全4回にわたって振り返る。最終回では、大量生産に向けた決断、後継機などについて、共同開発者のエベン・アプトン氏が語った内容を紹介する。

 クレジットカードサイズのシングルボードコンピュータの共同開発者が、画期的なマシンの開発で乗り越えてきた数々の困難を語った。ここでは、その内容を全4回にわたって紹介する。今回は最終回。

成功への対処

 だが、Raspberry Pi Foundationは新たな問題を抱えることになった。自らの成功で打撃を受けたためだ。Upton氏と「Raspberry Pi」の共同開発者らは当初、同ボードを過小評価しており、1000台も売れないとみていた。初めてテレビ報道で取り上げられ、YouTube動画がわずか2日間で60万回閲覧された後も、Raspberry Piのチームは慎重だった。

 「大勢の関心を集めたが、それでもまだ、実際にお金を出してもかまわないという人はずっと少ないだろうと思っていた」。Upton氏は、初回生産台数を1万台までしか増やさなかった理由をこう説明する。

 だが、急増する需要が縮小することはなく、同財団の生産能力が追いつかない可能性が出てきていた。現地時間2012年2月29日の発売の時点で、注文台数は10万台に達していた。

 1万台単位でボードを生産し、その1万台の売り上げで次の1万台の生産コストをまかなうモデルではあまりに時間がかかり、そのような需要に応えるのは不可能だった。

 サプライチェーンの検討や消費税、生産コストなどで事態がさらに複雑化したため、同財団はRaspberry Piの中国生産を余儀なくされた。

 Upton氏と同僚らは、財団のアプローチを変えなければならないと実感した。

 「この製品の需要は旺盛で、自分たちの資本では満たせない規模だと気づいた」(Upton氏)

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