ハッカーには必ず何らかの目的がある。フィッシング攻撃やソフトウェア脆弱性の悪用だけで簡単に目的を達成できることもあるが、必ずしもそう簡単にいくわけでない。パスワードルールや暗号化といった効果的なサイバーセキュリティ対策が実施されているために目的を果たせない場合は、別の手段を使うこともある。それが総当たり攻撃だ。
鍵のかかった箱でも、何度も叩けば開けることができる。コンピュータシステムへの侵入についても、(理論上は)同じことが言える。考えられる限りのパスワードの組み合わせを試すか、よくあるパスワードの辞書を使うことで、組織の最重要機密へのアクセスが可能になる。
総当たり攻撃の危険にさらされているのは、ウェブアプリケーションだけではない。暗号化されたデータベースや、パスワードが設定された文書など、保護されたデータも総当たり攻撃で盗まれるおそれがある。データがオンラインにあるのか、攻撃者のコンピュータにダウンロードされているのかは関係ない。
サイバーセキュリティ担当者が、総当たり攻撃に関連するリスクを把握しておくことが不可欠だ。本記事では、この古くからあるサイバー攻撃について紹介する。自分がどれだけ安全なのか(または安全でないのか)、どうすれば総当たり攻撃からシステムを守れるかが分かるだろう。
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