なぜ、仕事の成果を上げている若手が離職するのか――。
リクルートマネジメントソリューションズ(リクルートMS)は入社4年目以降の若手・中堅社員に絞り、転職を考え始める理由を明らかにすることを目的に、従業員規模300人以上の企業に新卒業者(新卒)として入社した25~32歳の正社員515人を対象に“転職意向と実態”を10月に調査した。
12月21日に発表された調査結果によれば、転職に踏みきったケースは412人、踏みとどまったケースは103人。若手・中堅社員のキャリア観について、同社 組織行動研究所 所長 古野庸一氏は「企業は7つのリテンション(人材の維持)対策を講じるべきだ」と説明した。
外資系IT企業において一生働き続けるケースは珍しく、キャリアアップを目的とした転職は、至極当たり前のスタイルである。だが、近年は一般企業にも転職の波は広がり、転職理由が社員本人にあるのか、企業側にあるのか不明確だった。
厚生労働省が8月9日に発表した「平成29年雇用動向調査」によれば、労働時間や給与、人間関係の3つを離職の最大理由に挙げている。具体的には「労働時間、休日などの労働時間が悪かった(男性12.4%、女性14.7%)」「給与などの収入が少なかった(男性11%、女性10.5%)」「職場の人間関係が好ましくなかった(男性7.2%、女性13%)」
他方で日本生産性本部が5月24日に発表した「2018年度 新入社員 春の意識調査」によると、「今の会社に一生勤めようと思っている」と解答した割合は50.8%。2012年の60.1%をピークに減少傾向にある。
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