IT部門が災害に見舞われたとき、まずはダウンしたシステムを復旧しなければと思うかもしれない。だが、最高情報責任者(CIO)やシニアレベルのITマネージャーとして大規模な災害を経験した人であれば、技術的な問題もさることながら、人間が危機にさらされるということを知っているはずだ。
ハリケーン「カトリーナ」を切り抜けたIT部門のスタッフたちが、次のように話していたことを覚えている。「システムを復旧するどころの話ではなかった。あの災害で重要な人員を失った。彼らの代わりを務める人などいなかった。従業員はショックを受け、悲しみに沈んでいた。普段どおりに職務をこなすのは難しかった」
マネージャーは災害時、自分の感情を脇に置いて、スタッフ、経営陣、顧客などの感情に対処しなければならない。しかも、システムの復旧を進めながらだ。
残り本文:約1399文字 ログインして続きを読んでください。