中小企業の内情はみな異なるが、ほぼすべての中小企業が必要とするアプリケーション群がある。
一般的に、これらのアプリケーションはオフィス「スイート」にバンドルされており、電子メール、カレンダー、ワープロ、スプレッドシートで構成される。さらに、プレゼンテーションマネージャやデータベースマネージャ、フォームマネージャなどのツールが含まれる製品もある。そうしたオフィススイートの1つが、「Microsoft Office」(現在では主に「Office 365」として販売されている)であり、Googleの「G Suite」も同様だ。
オフィススイート市場は長年にわたり、Microsoftのスイート製品であるMicrosoft Officeが席巻していた。モバイルとウェブが中心の世界になるまでは、ユーザーが各自のコンピュータにアプリをインストールしなければならず、そのためにCD-ROM(大昔)やDVD(昔)を挿入するか、インストーラをダウンロードして起動していた。
MicrosoftのOfficeデスクトップアプリケーションが強力で優れていたことは確かだが、多くのユーザーにとっては機能が過剰で、圧倒されるほど複雑であり、また継続的なメインテナンスとライセンス管理が大変だった。
Microsoft Officeは今も提供されている。むしろ、史上最大のヒット製品の1つだ。バンドルとして発売されたのは1990年だが、「Word」や「Excel」などの中核的なアプリケーションは、今から35年前の1983年に発売された。
G Suiteの記事でOfficeを話題にしているのは、Officeがこの分野において巨大な存在であるためだ。G Suiteが自社のどのような部分に適しているかを理解するためには、Officeの全体像をある程度把握しておくとよい。
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