GitHubは、進行中のプロジェクトを格納するリポジトリーとして開発者に広く利用されている。だが、開発者向けのストレージプラットフォームというのは1つの側面にすぎず、他にもさまざまな機能がある。
GitHubではプロジェクトの共同作業が可能で、他のプログラマーを招待して、どこからでもプロジェクトに協力してもらえる。コマンドラインツールの「Git」とシームレスに連携し、プロジェクトのチェックインとチェックアウトを簡単に実行することができる。GitHubはGitと同じ分散バージョン管理機能とソースコード管理機能を備え、さらにプロジェクトのバグ追跡、機能リクエスト、タスク管理、アクセス制御などの機能も利用できる。
この入門記事では、GitHubに関して知っておくべきことをわかりやすく解説する。
概要
- どんなものなのか:Gitとシームレスに連携するウェブベースのバージョン管理コードリポジトリーだ。世界中の開発者が、開発プロジェクトで簡単に共同作業ができる。
- なぜ重要なのか: GitHubが発表した2020年1月時点のデータでは、ユーザー数は4000万人以上、リポジトリー数は1億件以上とされている。それらのリポジトリーのうち、少なくとも2800万件はパブリックリポジトリーだ。GitHubは世界最大のソースコードホスティングサービスである。
- 誰が影響を受けるのか:オープンソースからプロプライエタリまで、また個人から大企業のチームまで、あらゆる開発者が影響を受ける。
- いつから利用できるのか:最初の開発は2007年11月に開始された。GitHubの創設は米国時間2008年2月8日で、正式リリースは2008年4月10日だ。
- どうすれば利用できるのか:アカウントを取得して、必要なツールをインストールし、リポジトリーとブランチを作成すれば、コードの編集や共同作業を始められる。
どんなものなのか
GitHubを理解するには、まずGitについて知る必要がある。Gitは、Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏がLinuxカーネル用のバージョン管理システムとして開発したコマンドラインツールだ。元々は「BitKeeper」に代わるツールとして2005年に開発された。Linuxカーネルコミュニティーは巨大であり、信頼できるバージョン管理システムがなければ、カーネルのコミットを管理するのは非常に難しい。そこで必要とされたのがGitだ。Gitは開発当初からLinuxカーネルコミュニティーに大きく貢献してきた。
残り本文:約3460文字 ログインして続きを読んでください。