近年のパブリッククラウドコンピューティング分野で本当に重要な企業は3社しかない。先ごろ、その3社の決算発表があったが、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft、Googleが決算発表の電話会議で明らかにした各社のクラウド事業の実情に関する情報の量には、非常に大きな差があった。3社ともクラウドインフラストラクチャへの莫大な額の設備投資について説明したが、発表内容の共通点はそれだけだ。
実際のところ、発表した情報が最も少なかったのは、最も多くを証明しなければならないGoogleだった。首位を独走するAWSも、クラウド事業について珍しく口をつぐんだ。おそらく、多くを語って金融市場に自社の優位をアピールする必要はないと感じたのだろうが、1つ重要な数字を明らかにしている。一方、Microsoftはクラウド事業について時間をかけて詳細に説明した。これは、同社がAWSとの差を縮められるという自信を深めていることの表れなのかもしれない。
挑戦者の課題
3社の決算発表で最も意外だったのは、GoogleがIaaS事業とPaaS事業について、ほとんど語らなかったことだ。基本的には、順調だと述べただけで、「順調」が何を意味するのか詳しい説明はほとんどなかった。Googleの幹部は、取引の規模が拡大し続けていることを指摘し、同社のクラウドを差別化する主な要因がデータアナリティクスと人工知能(AI)であることにも言及した。だが、それだけだ。「Google Cloud」は実際に好調なのかもしれない。だとしたら、Googleはその好調な事業の大部分を秘密にしていることになる。
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