大学を卒業したフレッシャーズの朝日クンと、教育係の田中先輩との会話を通じて、「企業人として知っておくべき企業ITの基本」を紹介する。セキュリティ編に続いて、今回は「基幹システム」に焦点を当てる。
コンピュータサイエンスを学んだり、データベースを構築したりした経験がある学生でも、企業の基幹システムについて知っている人は少数派だろう。企業人にとっては当たり前になっている基幹システムだが、フレッシャーズにとっては全てが新鮮なようだ。
- 朝日クン:中堅精密機器ベンダーに新入社員として入社。営業部に配属。私大文系出身で「ITに精通している」とは言いがたい
- 田中先輩:入社10年目で朝日クンの教育係。過去に2年程情報システム部門に在席
顧客ニーズを把握するシステム?
入社から1カ月、新人研修もひとまず終了した朝日クン。いよいよ田中先輩と一緒に顧客訪問することになった。
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田中先輩 今回の訪問の目的は何だか理解しているか?
朝日クン 未来が明るく有能な人材、素晴らしい僕のお披露目ですよね。…すみません。スベりました。反省しています。
田中先輩 今日伺うのは、先のイベントでウチの製品に興味を持ってくれたお客さまだ。だから、お客さまがどんな理由でウチの製品に興味を持ち、どんな課題を解決したいのかを聞き出さないといけない。単に商品を知りたいだけなら、ウェブサイトからでも情報収集はできるからね。
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