「Raspberry Pi」は、小さいながらも頼もしいコンピュータだ。
たったの35ドルで買えるこの英国製マシンはちょっとした社会現象になり、2012年に初代Piが発売されて以来、1800万台近い販売台数を記録している。
英国時間3月14日、これまでで最も高性能なPiである「Raspberry Pi 3 Model B+」が発売された。B+は2016年の「Raspberry Pi 3 Model B」をベースに処理能力とWi-Fi速度を強化したモデルで、ほかにも細かい変更がいくつか施されている。それらの改善点については、以下で詳しく見ていこう。
B+の第一印象は素晴らしい。発売されてすぐ、Raspberry Pi 3 B+を公式の「Raspbian」OSと組み合わせて使ったときの体験は、Raspberry Pi 3 Model Bの初日の体験より明らかに優れていた。B+の性能強化もその要因の1つだが、Pi 3 Model Bの登場以降、Raspbian OSにさまざまな改善が施されてきたこともその理由だろう。

Raspberry Pi 3 Model B
提供:Raspberry Pi Foundation
テスト(本レビュー記事の最後に結果を掲載している)では、ベンチマークの成績向上から、USB経由でのデータ転送の高速化まで、処理能力向上の効果があらゆるところに顕著に表れた。Raspberry Piの共同開発者であるEben Upton氏によると、CPUの上にヒートスプレッダが搭載されているため、高負荷が原因でプロセッサのパフォーマンスが下がることは減るはずだという。筆者の確認した範囲では、B+が素晴らしい性能を発揮できなかったのは、無線接続と有線接続の速度を測定するテストだけだった。B+は接続機能のスペックがPi 3 Model Bより優れているにもかかわらず、それらのテストで大きな差を示すことはできなかった。
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