総合機械メーカーの東芝機械(静岡県沼津市)は、1938年12月に創業。2017年3月末の売上高は1113億2700万円、従業員数は単独で1787人、連結で3236人。射出成形機や押出成形機、微細転写装置などを開発、提供。金型に熔融した金属を圧入して、高い精度の鋳物を短時間に生産する“ダイカストマシン”ではトップクラスのシェアがあるという。
同社は、IoTでデータを収集、集めたデータを分析し“スマートファクトリー”に対応する「IoT+mプラットフォーム」を開発。外部販売の拡大を見据えて、さまざまな工場で実証を進めている。IoT+mプラットフォームは(1)ゼロダウンタイムを目指して突発的な故障を未然に察知、(2)新規だけでなく既存設備も含めた機械の状態を可視化、(3)スマートファクトリー化に対する課題を顧客との共創で解決――という3つのコンセプトに基づいている。
自社の工場内で実証が進むIoT+mプラットフォームは、現場や実務レベルの事例から得られた知見やノウハウをパッケージ化、テンプレート化して製品に組み込むほか、顧客に提供するサービスにも反映していく狙いだ。
制御システム事業部が開発したIoTの共通基盤を国内の主要工場に展開し、実証している。中でも先行しているのが材料加工事業部だ。同部は、大型工作機械で活用される、さまざまな部材を鋳造から仕上まで一貫生産している加工現場。
IoT+mプラットフォームは、温度や湿度、振動、色などのセンサからデータを集めてリアルタイムにモニタリングする“スマート見える化”(監視IoT)をベースに集めたデータを分析することで“スマートメンテナンス”(保守IoT)や“スマートマニュファクチャリング”(製造IoT)につなげていくというもの。
このIoT基盤の運用を支えるのが、生産情報を可視化する仕組みとなっている。
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