TCK Publishingのコンテンツ担当ディレクターKate Sullivan氏が、死と救済の物語を話してくれた。
「2週間にわたり、ほぼかかりきりで作業してきた書籍の編集を終えようとしていたとき、『Mac』が故障して動かなくなった。締め切りが翌日に迫っていたので、普通なら大慌てするところだが、私は神経質な性格で、作業のバックアップを3つ作成するようにしているため、事なきを得た」。Sullivan氏はMacの「Time Machine」機能を使ってローカルバックアップを作成しているほか、クラウドサービスによるリモートバックアップや、週単位での定期バックアップも実行している。
同氏はクラウドバックアップから別のマシン(タブレット)にデータを復元することができた。消えたのは1時間分の作業だけだ。それから編集作業を再開し、締め切りに間に合わせた。
だが、Sullivan氏ほど勤勉でないユーザーは、そううまくはいかない。
ツアー会社Orange Sky Adventuresを経営するDylan Gallagher氏は、2016年にウイルスの被害に遭った。同氏は当時を振り返り、ウイルスによって「当社のウェブサイトの40%が消失し、復旧には何百時間もかかった」と述べている。同氏は定期的なバックアップをしていなかったが、今では実行するようになった。
Geeks ChicagoのMark Tuchscherer氏は、ある顧客の災難について語った。「当社のクライアントは、見込み客と顧客のデータをローカルPCの『Excel』ファイルに保存していたが、そのPCがクラッシュして、2年分のデータを失ってしまった」。Tuchscherer氏はバックアップ計画の策定を推奨し、「クライアントはこの一件で学習したはずだ」と述べた。
自社のデータを保護することは、どんな規模の企業であっても、単なる演習ではない。「公認会計士であれ、フリーランスの写真家であれ、人気急上昇中のYouTuberであれ、不慮のデータ消失によって、キャリアが終わってしまうこともある」とストレージベンダーSynologyでマーケティングマネージャーを務めるPatrick Deschere氏は述べる。「効果的なバックアップ戦略を策定すれば、自分のファイルを守るだけでなく、自分の生活を守ることにもなる」(Deschere氏)
要点をまとめると、以下のようになる。
- バックアップの作成は事業の存続において極めて重要である。
- さまざまな方法で複数のバックアップを作成する必要がある。
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