米国時間7月27日~30日に開催されたハッキングカンファレンス「DEF CON」で、セキュリティ企業EndgameのHyrum Anderson氏は憂慮すべきAIの利用事例を紹介した。それは、機械学習を使ったウイルス対策ソフトウェアを出し抜くために、AIを利用してマルウェアを改変するというものだ。
Endgameの実験において重要な前提は、あらゆるAIには盲点があり、そのような盲点は他のAIに悪用される可能性があるということだ。その上で、研究チームがマルウェアのコードにちょっと手を加え、ウイルス対策ソフトウェアを攻撃できるようにしたところ、16%の確率でセキュリティ対策をすり抜けることに成功したという。
16%という割合は大きくないように思えるかもしれない。だが、AIを利用してマルウェアを作り変え、動作するのに検出されないマルウェアを作ることに成功したなら、すり抜ける割合は問題ではない。そのマルウェアを検出できなければ、1回の感染でも大きな影響がもたらされる。
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