既存ネットワークと比較したSD-WANの特長や生かしどころについては、これまでの連載でおおまかにわかっていただけたのではないだろうか。しかし、メリットがわかっても、日々の業務に使われるネットワークをそう簡単に移行できるものでもない。
一気に入れ替えるとしたら、どのようなタイミングがいいのか、日常業務をこなしながら順次入れ替えていくにはどのような工夫をするべきなのか。今回はそうした移行について考えてみよう。
- ITトレンドなんて見通せない--ネットワークインフラに求められるのは柔軟性
- 目先だけでは判断できない--ネットワークコストは運用まで含めて考えよう
- ケーススタディで見るSD-WANの効用--開店も撤退もスピードアップ
- uCPEやvCPEなど運用後に生きてくるSD-WANの管理機能を知ろう
ハードルはあるがコストメリットが魅力の一括導入
考え方としては、最もシンプルなのが一括導入だ。従来のWANを一気にSD-WANに置き換える。SD-WANのメリットを最大限に受けることができるし、既存ネットワークとの併用期間を最小限にできるのでコストメリットが大きい。
しかし、ネットワークコストだけを見ていては見失うデメリットもあることを指摘せざるを得ない。それは、ネットワークを一気に刷新する際に起こりがちな、検証不足や確認不足に起因するトラブルだ。
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