企業におけるディープラーニングシステムの採用が進んでいる。その範囲は、写真や音声認識処理に顧客サービス対応、さらには医療記録からの異常検出など、多岐にわたる。人工知能(AI)モデルは、膨大なデータセットを活用し、パターン認識や予測を繰り返すことで自らを「訓練」する。しかし、その一方で、処理のタイミングは依然として障害になっている。精度の高いディープラーニングモデルを構築しようとすると、数日間、もしくは数週間を要することもある。
米国時間8月8日、IBM Researchが開発した新しいディープラーニングモデル「Distributed Deep Learning」が画像認識率33.8%の新記録を達成し、この分野で大きく前進した。
このモデルは、750万という膨大な画像データセットを使用するもので、IBMによると、「64台の『IBM Power System』に計256個のGPUを搭載したディープラーニングフレームワーク「Caffe」を使用し、記録的な通信オーバーヘッドとともに、95%のスケーリング効率を達成した」という。すべてに要した時間はわずか7時間だった。
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