「第1回:基本的な仕組みを理解しよう」では、そもそものIPアドレスの役割を振り返った。今回は、ネットワークの分析を通じてIPアドレスから付帯的な情報を引き出すテクノロジと、その活用範囲について紹介していこう。
前回詳しく説明したとおり、IPアドレスはインターネット資源の管理団体ICANNをトップに、RIR(地域インターネットレジストリ)、LIR(ローカルインターネットレジストリ)、エンドユーザー(ISPや固定IPアドレスを必要する団体など)と階層構造を持った管理体制のもとにある。そして、IPアドレス一つひとつに対し、管理者の情報がいつでも検索できる。さらに、IPアドレスのニックネームである「ドメイン名」にも、IPアドレスの使われ方に関する重大なヒントが隠されている。
これらの情報を総合的に分析することで、IPアドレスが使用されている位置情報や、IPアドレスを保有している企業団体、回線種別などの情報が得られる。IPアドレスを軸に利用されている環境(=Geolocation)が分かることから「IP Geolocation」と呼ばれるこれらの技術は、ウェブマーケティングの領域に取り入れられ、インターネットの利便性向上や企業の生産性向上に役立てられている。
ドメイン名はヒントの宝庫
IPアドレスの利用状況を推測する上で、最も役立つ情報はなんだろうか。一見、管理者の詳細な情報が分かるWhois情報を参照したくなるが、そもそもWhoisの情報はネットワーク管理のために公開されており、他の用途に使うことは許されていない。
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