Microsoftのネイティブハイパーバイザ「Hyper-V」は、「Windows Server 2008」のx86/x64版とともに最初のバージョンがリリースされて以来、WindowsクライアントとWindowsサーバの各バージョン向けに提供されている。このハードウェア仮想化コンポーネントは、仮想マシン(VM)を作成して実行することができ、インストール済みの既存のWindows Serverにオプションでインストール可能なHyper-Vロールか、またはベアメタルサーバにインストール可能な自己完結型の「Hyper-V Server」OSとして提供される。
このHyper-V入門では、同技術について簡潔に紹介する。
概要
- どんなものなのか:ハードウェア仮想化コンピューティング環境の作成と管理が可能になる仮想化コンポーネントであり、VMを使用して1台の物理サーバ上で複数のOSを実行する。
- なぜ重要なのか:コンピューティング環境を仮想化するHyper-Vの機能を利用することで、ホストサーバ上のリソースを効果的かつ効率的に管理し、複数のシステムを1つに統合できるからだ。
- 誰が影響を受けるのか:複数のサーバを管理しているなら、どんな規模の企業であっても、データセンターのフットプリントを縮小することで複数の物理サーバとそのリソースを集約し、システム管理に関連する総コストを低減できる可能性がある。
- いつから利用できるのか:Hyper-Vの最新バージョンは現在、「Windows Server 2016」の一部として、またスタンドアロンの「Hyper-V Server 2016」として提供されている。
- どうすれば利用できるのか:Hyper-Vは、Microsoftやサードパーティーの販売代理店から購入したWindows Server 2016のライセンスに含まれている。Hyper-V Server 2016は、Microsoftのウェブサイトから直接ダウンロードして無料で利用することができる。
どんなものなのか
当初はWindows Server 2008で利用できるインストール可能なサーバロールとしてリリースされ、正式版は米国時間2008年6月26日にリリースされた。Hyper-Vは、Microsoftが仮想化技術に対する関心の高まりに対応するために開発したものだ。仮想化技術によって、複数のOSを1台の物理サーバ上にインストールでき、ホストサーバで利用可能なリソースをプールすることで、密度が高く物理フットプリントの小さい環境に既存のインフラストラクチャを統合することができる。
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