モノのインターネット(IoT)デバイスはデジタル世界を大混乱に陥れるだけの力を持っている、という考えは疑問視されていた。だが、そのような疑念は、2016年第4四半期にIoTデバイスを使って機能するボットネット「Mirai」がいともたやすくインターネットサービスを機能不全にしたことで、完全に取り払われた。
IoTデバイスが攻撃対象になっている理由を探るため、ポーツマス大学の研究者チームは55のIoT管理用システムを分析した。その結果、システムの多くがセキュリティやプライバシーをサポートしていないうえ、堅牢な制御手段も実装していない、ということに気付いた。なぜこのような事態になったのだろうか。
この分析を実施したポーツマス大学のプレスリリースのなかで、同大コンピュータ学部所属のPaul Fremantle氏は、「システムを安全に保つ目的のアップデートを施すことに対し、メーカーには積極的に取り組む動機が存在しない」と述べた。さらに、IoTデバイスには、強力なセキュリティソリューション実装に必要な十分な処理能力やメモリがない、ということも要因である可能性があると付け加えた。
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