アビームコンサルティングは7月20日、RPA(Robotic Process Automation)に関する調査結果を明らかにした。RPAは、決まった手順の事務処理を自動化することで、ホワイトカラー業務の効率化を目指す。
2016年初頭から注目を集め出し、日本におけるRPA市場の発展を目的とする日本RPA協会は2016年6月20日に設立された。今回は「RPA業務改革サービス」を提供するアビームコンサルティングと日本RPA協会、「BizRobo!」を提供するRPAテクノロジーズによるデータをもとにしたRPA導入企業の実態が明らかになっている。
RPAを取り巻く現状についてアビームの安部慶喜氏(戦略ビジネスユニット 執行役員 プリンシパル)は「制約がないレベルまで進化し、バックオフィス(事務管理部門)業務やフロント業務支援、会議に用いる資料作成の訂正も定型処理であれば可能。日進月歩の勢い」と説明した。アジアや欧州各国のコンサルティング企業と提携する同社だが、安部氏は日本市場の成長率が最も大きいと感じているという。その背景には現在の日本が抱える生産性の低さがある。
経済産業省は2015年時点の国内総生産(GDP)532兆円を2030年までに846兆円への成長を目指し、就業者数については6334万人から5599万人までの1割減と予想する。この数値を労働生産性に当てはめると生産性を1.8倍まで向上させないと実現できない。
「労働者生産性の向上が不可欠」(安部氏)であることは明らかだ。日本政府は「働き方改革」を推進しているものの、現状は労働時間を短縮しながらも作業に忙殺される働き方を続ける「見かけだけの働き方改革」(安部氏)だという。
真の働き方改革を実現するためには、単純作業をRPAに担わせ、人は創造的な業務にシフトしなければならない。この「チャレンジが次の勝者を決める。だから多くの企業がRPAに注目している」(安部氏)のだろう。
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