セキュリティ

「WannaCrypt」の脅威を退ける--システム管理者が語ったある企業での対応

「WannaCrypt」ランサムウェアは世界中で猛威を振るった。こうした大規模な脅威にはどのような対策が必要なのだろうか。自社の環境の評価やパッチの展開などの具体的な手順をシステム管理者が説明する

 筆者は大手金融機関のシステム管理者として働いている。「WannaCrypt」(別名「WannaCry」)の話は、5月上旬にニュースや社内のセキュリティ部門で初めて耳にした。われわれは状況を精査して最善の行動方針を決定する必要があることを悟った。

 WannaCryptがこれだけまん延した要因の1つは、「Microsoft Windows」のファイル共有プロトコル「Server Message Block」(SMB)を利用した拡散が可能な点にある。つまり、システムにフィッシング電子メールが届かなくても感染のおそれがあるということだ。そのため、一部のセキュリティ責任者や経営幹部は大いに取り乱していた。まるで、テレビドラマ「ウォーキング・デッド」の登場人物たちが、閉じ込められた倉庫の中で身を寄せ合い、ウォーカー(ゾンビ)がドアを叩く音を聞いて途方に暮れているような光景だった。

 極めて優れたツールキットが米TechRepublicでよく紹介されているが、他者との関わり合いで重宝する対人スキル、つまり「ソフト」スキルというのも数多くある。交渉力や常識がそうしたスキルの代表的なものだ。セキュリティチームや重役が、皆に今すぐ作業を止めて全システムにパッチを適用するよう迫ってきたとしても、重要なのは全体像を正しく把握するとともに、誰もが同意でき、ユーザーや管理者、組織全体のニーズにかなう筋の通った計画を立てることだ。

 本記事では、これほどの規模の脅威にどう対処すべきかを、直接的な当事者であるシステム管理者の視点から解説する。

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