IDCは、拡張現実(AR)および仮想現実(VR)用ヘットセット市場に関する調査結果を発表した。それによると、全世界の2016年における出荷台数は1010万台だが、2021年には10倍近い9940万台にまで増えると予想している。その間の年平均成長率(CAGR)は58.0%。
急激なペースで出荷が増える要因として、IDCは消費者向けと企業向けの両方で対応コンテンツが大量に供給されることと、低価格化という2点を挙げた。また、企業ではARおよびVRの導入で生産性の向上が期待できるという。
企業向けと消費者向けで分けたARおよびVRヘッドセットの出荷台数などは以下のとおり。括弧内は出荷台数ベースのシェア。
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企業向け
- 2016年:200万台(20.1%)
- 2021年:3830万台(38.5%)
- CAGR:80.0%
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消費者向け
- 2016年:810万台(79.9%)
- 2021年:6110万台(61.5%)
- CAGR:49.9%
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合計
- 2016年:1010万台
- 2021年:9940万台
- CAGR:58.0%

出荷台数(出典:IDCの公表データをグラフ化)

出荷台数ベースの市場シェア(出典:IDCの公表データをグラフ化)
VRヘッドセットとARヘッドセットの出荷台数は、以下のように推移すると予測した。
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VRヘッドセット
- 2016年:1000万台
- 2017年:2160万台
- 2018年:3410万台
- 2019年:4670万台
- 2020年:6090万台
- 2021年:7200万台
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ARヘッドセット
- 2016年:10万台
- 2017年:50万台
- 2018年:160万台
- 2019年:520万台
- 2020年:1430万台
- 2021年:2730万台

出荷台数をARとVRで分類(出典:IDC)
ARヘッドセットの出荷台数はVRヘッドセットに比べ相当少ないものの、大きな売上高が期待できる見通し。具体的には、ARヘッドセットがVRヘッドセットの売上高を逆転するとみている。
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VRヘッドセット
- 2016年:21億ドル
- 2021年:186億ドル
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ARヘッドセット
- 2016年:2億900万ドル
- 2021年:487億ドル

売上高(出典:IDCの公表データをグラフ化)