AI・機械学習

有益なAI開発のために--テクノロジ界リーダーらが提案した23の原理

AIの専門家やロボット研究家、テクノロジ界のリーダーたちが安全なAI開発を誘導するために提案した23項目の「Asilomar Principles」(アシロマ原理)が公開された。ここではその要点を紹介する。

 Tesla Motorsの最高経営責任者(CEO)Elon Musk氏は、米国時間2017年1月5日~8日にカリフォルニア州アシロマで開催された「Beneficial AI」カンファレンスのパネルディスカッションで、「素晴らしい未来とはどういうものだろうか?」と問いかけた。「我々は、超知能(スーパーインテリジェンス)か文明の終焉か、どちらかに向かっている」

 この問いかけは、人工知能(AI)について多くの人が抱いている懸念を表している。コンピュータが意思決定をするようになったとき、その決定が人間の価値観に沿っていることを、どうやって保証するのだろう?機械学習にバイアスがかかっていたり、Microsoftのチャットボットが人種差別的発言をしたり、さらには、AIが運転する自動車で重大な事故が起きたりといった事例を目にしている。専門家の多くが、たとえば自律型兵器の使用などAIによって引き起こされる損害を制限しようと、AIが間違いを犯すケースの調査を続けていている。

 AIにおける倫理的問題への関心も目新しいものではなく、その対策に向けた取り組みを始めている組織もいくつかある。Musk氏が支援している非営利のAI研究団体OpenAIは、AIの倫理に関する研究を専門にしている。2016年9月にGoogle、Amazon、IBM、Microsoft、Facebookが提携し、テクノロジの倫理的意味合いの探究に焦点を絞った「Partnership on AI」というグループを立ち上げた。この分野の専門家によると、「道徳面の諸問題」が2017年のAI注目トレンドのひとつになるという。

 Beneficial AIカンファレンスでの発言に加え、Future of Life Institute(命の未来研究所)は、AIの専門家やロボット研究家、テクノロジ界のリーダーたちが安全なAI開発を誘導するために提案した23項目の「Asilomar Principles」(アシロマ原理)を公開した。5日間のカンファレンス中に考案されたAsilomar Principlesには、844人のAI研究者やロボット工学研究者を含む2000人以上が署名している。署名の中にはMusk氏はもちろん、Google DeepMindの創設者であるDemis Hassabis氏や宇宙物理学者のStephen Hawking氏など、テクノロジ界のトップリーダーたちが多く名を連ねている。

 Asilomar Principlesには、AIに関わる研究上の課題、倫理および価値観、長期的課題などがリストアップされている。以下にその要点を紹介する。

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