人工知能(AI)がビジネスに浸透し続ける中、IBMの最高経営責任者(CEO)であるGinni Rometty氏は、スイスのダボス-クロスタースで現地時間1月17日、世界経済フォーラム年次総会のパネルディスカッションで、責任あるAI開発のための3つの倫理原則を打ち出した。
Rometty氏は、「私たちはそれをAIの原則と呼び、コグニティブ(認知)時代に向けた行動の指針としたい」と述べた。「率直に言って、こうしたテクノロジを安全な方法で世の中に送り出すのは、これらの技術を実際に生み出している、いわゆるリーダーである私たちの責任だ」(Rometty氏)
IBMが大きく賭けたのは、世界中の企業にとって、これからはデータが競争優位性の基盤になり、それらを解釈して洞察を得るために論理的に考え、学ぶAIツールが必要になるという考え方だと、Rometty氏は明かした。
AIの登場とともに「基本的に人は、情報に圧倒されるあまり、それらを吸収し、本来の価値を十分に生かすことが不可能な状態になっている」とRometty氏は指摘した。「ただし、仮にそうすることが可能なら、今はまだ解決できない問題も解決できるようになるだろう」(Rometty氏)
IBMの「Watson」は今や、自動車や「iPhone」に組み込まれ、医療機関にも導入されている。2017年は、約10億人もの人々がさまざまな業界のビジネスソリューションを通じて、同コグニティブコンピューティングシステムに触れることになるだろうと、Rometty氏は付け加えた。以下に、IBMが自社の取り組みから得た倫理的な洞察を紹介する。
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