「IaaS(Infrastructure as a Service)」はCPUやメモリ、ストレージなど、ITシステムの基盤となるリソースをネットワーク経由で利用できる。利用者は自社でハードウェアを所有する必要がないので、調達や設置のコストを削減できることが大きなメリットになる。
IaaSを選択する際のポイントの1つして、オンデマンドでリソースを増強したり、解放したりする際の即応性がある。即応性が高ければワークロードの変動に素早く対応できるので、負荷の集中によるビジネス機会の損失やシステム障害を避けやすい。また、不要になったリソースを速やかに解放することで無駄なコストが掛かるのを防げる。
サービス選択のポイントとしてほかに、強固なセキュリティや災害復旧(DR)対策により事業継続性を確保できるかどうかがある。データセンター拠点が分散しており、互いにバックアップしていれば災害に強くなる。実際、クラウドを利用する理由の1つとして事業継続計画(BCP)を挙げる企業は多い。
ここではIaaSだけを紹介するが、「Microsoft Azure」や「IBM Bluemix」といったPaaSも含むサービスについては別の記事で紹介する。
以下に紹介するサービスのほかに国内では、さくらインターネットの「さくらのクラウド」や、GMOクラウドの「ALTUS」などレンタルサーバで知られた企業やグループのIaaSがよく使われている。ソフトバンクは2016年7月22日に、SLA99.999%を保証するIaaS「ホワイトクラウド ASPIRE」の提供開始の発表をした。
1.Amazon Elastic Compute Cloud(EC2):柔軟で耐障害性のあるアプリを構築可能
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