企業で取り扱うデータを可視化するビジネスインテリジェンス(BI)ツールは、ビジネスの意思決定を迅速化するために有効である。これまで、BIツールといえば、IT部門や分析部門などが業務部門の依頼を受けてデータ分析を実施し、その結果をレポートとして提供するのが一般的だった。
しかし、従来のやり方では、依頼者が結果を受け取るまで時間が掛かる上に、昨今のデータ活用の多様化やデータ量の増加に対応できない。そこで、現場の業務担当者が自らの手でデータを分析、可視化する「セルフサービスBI」に注目が集まっている。
現場でのデータ分析は、リアルタイムな意思決定を可能にし、現場での気づきや仮説をその場で検証することで新たな知見を得ることができる。ここでは、代表的なセルフサービスBIツールを5つ紹介する。
1.SAS Visual Analytics
SAS Institute Japanの「SAS Visual Analytics」は、インメモリ処理によって大量のデータでも高速に探索、可視化できるBIツールだ。クラウドとオンプレミスで稼働する。
リアルタイム予測、自動チャート作成、吹き出し方式のヘルプガイダンス、ドラッグ&ドロップなどと一体化した分析機能を装備。ビジネスユーザーからデータサイエンティストまで、分析に関する専門知識やスキルの有無に関わらず利用可能である。
レポートやダッシュボードは、ウェブベースのインターフェースで作成できる。ウェブやモバイル端末を通じて配信可能。利用者はフィルタやドリルダウン、ドリルスルーなどでデータを自由に操作できる。
iOSとAndroid向けのネイティブアプリを提供し、モバイル環境でも利用できる。オフライン機能を使えば、インターネット接続のない環境も含めて、どこにいてもレポートの閲覧やデータの探索が可能だ。
参考価格は、最小構成の4コアサーバで導入の場合で初年度95万2000円から。利用者数に関わらず、サーバのコア数によって課金する。

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