顧客関係管理(CRM)システムは、顧客データを収集して一元的に管理し、分析をすることで営業やマーケティングなど顧客に関係する業務を支援するものだ。営業活動やコールセンター、ウェブサイト、メール、ソーシャルメディアなど、さまざまなチャネル(顧客接点)から得たデータに基づいて、顧客ごとに最適な対応をすることで顧客満足度を向上する。
顧客の購入履歴や属性データに基づいて、営業や保守、修理などの活動を行うことで、商品販売を促進したり、サービスを向上させたりすることが可能になる。最近では、顧客情報の分析結果を商品の企画や設計、開発、調達に利用するなど適用範囲が広がってきている。
ここでは、上記の特徴を備えた主なCRMシステム5製品を紹介する。ただし、顧客情報を収集、管理するという性格上、営業支援(SFA)システムやコールセンターシステムの機能を兼ね備えたり、互いに密接に連携したりするような製品も多く、これらのシステムの間で明確な線引きすることは難しい。
1.Salesforce Service Cloud
セールスフォース・ドットコムの「Salesforce Service Cloud」は、24時間年中無休のカスタマーサービスや顧客にあわせた個別対応を可能にするクラウドサービスだ。従来型の電話やメールから、ウェブ、ソーシャルメディアまであらゆるチャネルに対応し、顧客ニーズの予測に基づくサポートを提供できる。
担当者が必要とする情報を1つのコンソールに集約することで、ケースの迅速な管理や顧客履歴情報の追跡を可能にする「Lightning Console」や、記事やFAQを格納し簡単にアクセスできる「ナレッジベース」などの機能を提供。モバイルアプリにより、サービス担当者が外出先で対応したり、マネージャーが状況をリアルタイムで把握したりできる。
利用料金は年間契約でユーザーあたり月額9000円の「Lightning Professional」、ユーザーあたり月額1万8000円の「Lightning Enterprise」、ユーザーあたり月額3万6000円の「Lightning Unlimited」がある。

2.eセールスマネージャーRemix Cloud
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