Adobe SystemsやAmazon.com、Target、Walmartといった米大企業のあいだで、DevOpsという潮流に対する関心が高まり続けている。
TechRepublicのJames Sanders氏が解説したとおり、Development(開発)とOperations(運用)を組み合わせるDevOpsとは、本質的に「ソフトウェア開発者、そして、本番運用を管理しているIT担当者とのあいだの統合およびコミュニケーションに注目した」ワークフローである。このアイデアはアジャイル方法論から成長し、2009年に開催されたカンファレンスで初めて注目された。
IT部門の多くでは、開発、運用、サポート、管理の担当組織がそれぞれ自己中心的に動いている。これに対しDevOpsシステムは、生産性を高め、ワークフロー全体を円滑化するために、各組織の統合を図る。Sanders氏によると、DevOpsシステムを導入した組織は、ソフトウェアとセキュリティアップデートを組織内ユーザーおよび顧客に対し、迅速に提供できるという。DevOpsの最終的な目的は、製品の市場投入までにかかる時間を短縮し、ソフトウェアとセキュリティアップデートの提供を迅速化し、作業プロセス全体の信頼性を高めることだ
この見解を裏付ける数字が存在する。IT担当者4600人を対象として2016年6月に実施されたPuppetの調査によると、しっかりとしたDevOpsワークフローを導入済みのIT部門は、うまく機能していないIT部門に比べ、200倍も頻繁にソフトウェアをデプロイしていたそうだ。さらに、復旧にかかる時間は24分の1に、変更時の失敗率は3分の1になった。うまく機能しているIT部門ではセキュリティ問題の対応にかかる時間が50%短くなり、計画外の作業時間が22%減っている。
「The Phoenix Project:A Novel About IT, DevOps, and Helping Your Business Win」の著者で、「The DevOps Handbook」の共著者であるGene Kim氏は、「このデータでとても驚かされたのは、DevOps手法を採用して優れた業績を残している組織がそうでない組織に比べてどれほど勝っているか、ということだ」と述べた。「優れた業績を残している組織は、よりアジャイルであると同時に、信頼性も高かった。このことから、DevOpsは核心的かつ慢性的な対立を解消できることが、経験的に証明される」(同氏)
Indeedによると、DevOpsに言及している求人の割合は、2012年時点で1%未満だったが、今や30%を超えたという。
ここでは、技術リーダーがDevOpsについて知っておくべき事柄を10項目紹介しよう。
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