世界中の企業にとって、Software Defined Networking(SDN)は、ネットワーク基盤のあり方を大きく変えようとしている。仮想化技術がサーバやストレージに大きな革命をもたらしたが、それと同様の進化と革命がネットワークの世界でも起こっている。
SDNで期待されるメリットには、複数の側面がある。第一に、全社規模での新サービスを展開するスピードを速め、ネットワークをシンプルにすることが挙げられる。次に、柔軟性と運用効率によるコスト削減も期待できる。しかし、SDNの最も重要な要素の1つに挙げられるのが、ネットワークセキュリティに対する動的な対応である。
Gartnerは、ITセキュリティに対する全世界の支出額が今後増加の一途をたどり、2018年の情報セキュリティに対する全世界の支出額は1010億ドルに上ると予想している。さらに、アジア太平洋地域の企業の59%が、不正行為の事例が今後5年間で増加すると予想しており、回答者の過半数は、その防御戦略により多くの時間とコストを費やしている。
世界各国の重要機関に対する侵入事件が毎週のように報じられているが、ここではSDNを活用することで、自社ネットワークのセキュリティを保護し、侵入を水際で食い止める方法をネットワークの観点から紹介する。
1.ネットワーク仮想化技術によるマイクロセグメント化
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