従業員のメール受信箱に潜む脅威は、もはや「ナイジェリアの手紙」だけではない。医療機関、学校、政府機関、そして多数の企業にとって、ランサムウェア攻撃がセキュリティの脅威として急速に拡大している。この攻撃は、スピアフィッシングのメールを介して配信される非常に悪質なマルウェアにより貴重なデータ資産をロックし、その解除と引き換えに身代金を要求する。
サイバーセキュリティ企業Carbon Black Enterprise ResponseのセキュリティストラテジストRick McElroy氏はこう語る。「われわれは今、ランサムウェアの種類と組織への侵入方法において、爆発的なイノベーションが起きているのを目の当たりにしている。巨大なビジネスで、攻撃者には投資に対する見返りがあり、事態は悪化する一方だ」
ランサムウェアは何年も前から存在していたが、2015年に攻撃が急増した。米連邦捜査局(FBI)のインターネット犯罪苦情センターが発表した年次報告書によると、2015年に同局が受けつけた苦情は2453件で(損失額160万ドル以上)、前年の1402件から大幅に増えている。FBIによると、この数字は2016年も増加の一途をたどっているという。
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