AI・機械学習

機械学習入門--幅広い分野で活用されるAI技術

機械学習は、コンピューターが大量のデータセットを使用して自ら学習し、データのパターンを見つけ出すという技術だ。この分野の概要、企業での活用方法、倫理面での懸念などを紹介する(2016年6月27日公開、2021年2月12日更新)。

いつから人気があるのか

 機械学習は1990年代に人気を博し、このところ再び注目を集めている。近年の主な出来事を以下にまとめた。

  • 2011年:物体を識別して分類できるディープニューラルネットワーク「Google Brain」が開発された。
  • 2014:Facebookの「DeepFace」アルゴリズムが発表された。このアルゴリズムは、一連の写真から特定の人間を認識できる。
  • 2015年:Amazonが機械学習プラットフォームを立ち上げ、Microsoftが「Distributed Machine Learning Toolkit」を公開した。
  • 2016年:Google傘下のDeepMindのプログラム「AlphaGo」が、複雑な囲碁の対局で世界チャンピオンのLee Se-dol氏に勝利。
  • 2017年:Googleが、同社の機械学習ツールは人間よりも正確に写真内の物体を認識し、音声を理解できると発表した。
  • 2018年:Alphabetの子会社であるWaymoがアリゾナ州フェニックスで、MLを利用する自動運転配車サービスを開始
  • 2020年:機械学習アルゴリズムがCOVID-19のパンデミックへの対処に活用されるようになり、ワクチン研究の高速化やウイルス感染拡大を追跡する能力の向上に役立てられている。

なぜ重要なのか

 機械学習は、米国のクイズ番組「Jeopardy!」や、チェス、囲碁などのゲームで人間を打ち負かす途方もない力を持っているだけでなく、実用的な用途も多い。機械学習ツールは、Facebookのメッセージの翻訳、写真中の顔の認識、特定の地理的特徴を持つ世界中の場所の発見に使用されている。IBMの「Watson」は、医師ががん治療に関する判断を下す際に活用されている。自動運転車は機械学習を使用して周囲の環境から情報を収集する。また、機械学習は不正防止においても中心的な役割を果たす。たとえば、教師なし機械学習を人間の専門家と組み合わせることで、サイバーセキュリティの脅威を非常に正確に検出できることが証明されている。

 AIには潜在的な利点が多くあるが、使用法についての懸念もある。AIが(自動化のように)人間の仕事を奪うのではないか、と多くの人が心配している。AIが仕事で人間の代わりになるかどうかに関係なく、必要とされる仕事の種類が変わることは間違いないだろう。たとえば、機械学習ではデータにラベルを付ける必要があるため、人間が手動でラベル付けをするという非常に大きな需要が生じた。

 職場での機械学習とAIは進化しているが、その用途の多くは、労働者に完全に取って代わるというより、労働者の支援を主な目的としている。これは特にCOVID-19のパンデミックの時期に当てはまる。多くの企業が大部分の従業員を在宅でのリモート勤務にしなければならなくなり、AIボットや機械学習が、日常的な作業を処理する人間を補助するようになった

 人工知能が及ぼす影響の研究に取り組んでいる機関がいくつかある。その一部を紹介しよう(AI専門家のTwitterアカウントを紹介する米TechRepublic記事より)。

  • Future of Life Instituteは、Skypeの共同創設者からハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)の教授まで、非常に優秀な人材を集めて、機械と共存する未来についての重要な問題を研究している。ケンブリッジに拠点を置くこの機関の科学諮問委員会はそうそうたる顔ぶれで、Nick Bostrom氏やElon Musk氏、Morgan Freeman氏などが名を連ねている。
  • オックスフォード大学のFuture of Humanity Institute(FHI)は、最先端の学術研究を行う最高峰の組織の1つだ。FHIのTwitterフィードではAIの最新の動向を知ることができ、このアカウントによる多数のリツイートは、最先端の人工知能研究に取り組む他のTwitterユーザーを見つけるのにも役立つ。
  • バークレーのMachine Intelligence Research Institute(MIRI)は、人工知能の最新の学術研究に関する優れたリソースだ。MIRIのTwitterには、AIの研究だけが同機関の存在理由ではなく、「人間を超える知性の開発が良い影響を及ぼすようにする」ことも目的だと書かれている。

どんな業界が使用しているのか

 自らのデータを活用して、洞察の獲得、顧客との関係の改善、売り上げの拡大、特定のタスクでの競争力向上を図りたいと考えているほぼすべての組織が、機械学習を利用することになるだろう。政府機関、企業、教育機関での活用事例がある。予測を立てたいと考えていて、大規模なデータセットを持っていれば、事実上あらゆる組織が機械学習を使用して目標を達成できる可能性がある。

 機械学習は分析だけでなく、人間の作業者の補助にも使用することができ、定型的な作業を引き受けて、人間がより有意義かつ革新的で生産性の高い仕事に専念できるようにする。従業員が反復的なタスクを大量に処理している企業は、分析と同様に、機械学習から利点を得られる。

企業はどのように使用しているのか

 2017年は、機械学習の能力の向上という点で極めて重要な年だった。2018年には爆発的な成長の土台ができ、そして2020年前半には、85%の企業が展開済みのアプリケーションにおいて何らかの形でAIを使用するようになった

 Deloitteによると、その成長の妨げとなっているものの1つとして、混乱が考えられるという。機械学習は企業のために一体何ができるのだろうか。

 企業による機械学習の活用事例は非常に多いが、基本的な部分ではどれも同じだ。膨大な量のデータを処理して、データサイエンティストのチームにできるよりもはるかに速く結論を導き出すことを目的としている。

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