顧客情報のデータ管理が当たり前になり、営業支援システム(SFA)が登場し、昨今ではマーケティングオートメーション(MA)などの言葉が流行語のように法人営業の現場で語られるようになりつつあります。しかしながら、果たして本当に法人営業における効率化や生産性の向上は達成されつつあるのでしょうか。
確かに法人営業の現場では、モバイルやIT機器の浸透により業務の効率化が進展しました。スマートデバイスの導入により、営業担当者は社外からメールを送信でき、お客さまと音声によるコミュニケーションが可能になりました。
また、インターネットでの情報収集が一般化することで、見込み顧客(リード)の行動パターンは大きく変わり、販売側にとってはウェブから見込み顧客が突如現れる時代になりました。
実感値として以前と比べ、営業が楽になったと感じるシーンも多くあると思います。ただ、その状況は競合企業にとっても同じこと。法人営業における昨今の外部環境の変化や顧客の購買行動の変化にあわせて、自社のマーケティングと営業活動をどうしていくか、その打ち手を考えるためには、取り巻く環境の変化を本質的に捉える必要があります。
この連載では、昨今の法人営業における大きな変化を本質的に捉え、自社の取るべき打ち手について考察するヒントを提供したいと思います。皆さまの法人営業の最適化に、少しでも寄与できるような連載にできれば幸いです。今回はいま日本の法人営業に起きている変化についてお伝えしていきます。
日本の法人営業に起きている変化
いま日本の法人営業には大きな変化が起きています。その変化は大きく分けると次の2点です。
1:新規顧客開拓の必要性の高まり
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