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外部データとの連携強化で差異化--Qlik幹部が語る「BIツールの“その先”」

セルフサービス型ビジネスインテリジェンス(BI)ツールなどを提供するQlik Technologiesの幹部は現在のBIツールについて「ニーズが大きく変化している」との見方を明らかにした。

 自社データだけでなくSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)データやオープンデータなどを複合的に分析し、新たな知見と洞察を得て次のビジネスを展開する――。変化が著しい経営環境において、迅速なデータ活用は企業の業績を大きく左右する。

 そのような状況下、「BI(ビジネスインテリジェンス)ツールに対するニーズも大きく変化している」と語るのは、米Qlik Technologiesでプロダクトマーケティング担当ディレクターを務めるJosh Good氏だ。その言葉を裏付けるように、6月2日に米投資会社のThoma BravoはQlik Technologiesを30億ドルで買収すると発表した。Good氏はBI市場の今後をどのように見ているのだろうか。話を聞いた。

データにある全体のストーリーを見る

――現在のBIツール市場は、以前と比較してどのように変化しているのか。

 これまで企業のデータは、IT部門が一元管理をしていた。しかし、現在は、各ユーザー部門単位でデータを保有するようになっている。その理由は3つある。

 1つ目はデータが爆発的に増大したこと。2つ目はインメモリ技術に代表されるように、コンピュータのデータ処理性能が飛躍的に向上したこと。3つ目は、ビジネスにデータを活用したいと考える部門や社員が急増したことだ。こうした潮流を背景に、ソフトウェア企業は誰でも使いやすい分析ソフトの開発に注力している。その結果、“インフォメーションアクティビスト”と呼ばれる情報を活用する人材が増加した。

Qlik Technologies プロダクトマーケティング担当ディレクター Josh Good氏
Qlik Technologies プロダクトマーケティング担当ディレクター Josh Good氏。取材は5月後半で、Thoma Bravoによる買収発表前だった

 利用者側の挙動にも変化が起きている。それは、データ分析に対するスタンスの違いだ。物心ついたときからGoogleを利用していた若い世代は、検索サイトに質問をしたら、瞬時に回答が得られるものだと考えている。彼らにとって「自分でデータを分析する」ことは当たり前であり、一元管理されたデータ環境では、彼らのニーズは満たせない。

 分析の目的も大きく変化している。以前は定型帳票(レポート)で、分析結果を見ているだけだった。しかし、今は分析結果を“深掘り”し、新たな知見を得ることが主な理由になっている。つまり、分析ツールは「何が起きたか」という記述的な機能から、「なぜ起きたか」という診断的な機能が求められているのだ。さらに、将来的には「何が起こるのか」を予測し、その対処方法まで提示できる機能も必要になる。

――各ユーザー部門単位でデータを保有することは、迅速な分析が可能になる反面、データガバナンスが効かなくなるデメリットもある。この課題にはどのように対処すべきだと考えるか。

 データガバナンスは、(各業務部門がデータを分析する)セルフサービスBIの課題だ。これまでIT部門は、データの“ゲートキーパー(門番)”的な役割を担っていたが、今後は“ショップキーパー(店員)”的な役割を担当するようになると考えている。

 つまり、店を訪れるお客(社員)は、すべての商品(データ)を見ることができる。しかし、すべての商品を自由に手に取れる訳ではない。高級品などは、店員に依頼して棚から出してもらう必要がある。これがガバナンスだ。

 ガバナンスと柔軟性のバランスは難しい。そのレベル設定は、企業や時代によって異なる。IT部門がガバナンスを効かせてデータを管理していたオーバーガバナンスの時代は、迅速さと柔軟性に欠けていた。

 しかし、柔軟性とスピードを追求し、ユーザー部門単位でデータを扱えるようになると、今度はアンダーガバナンスになってしまった。この両方のバランスを見極め、“適切なレベル”を提供できるのが、われわれの製品や技術だと考えている。

――セルフサービスBI製品も含め、市場には多様なBIツールが存在する。Qlik製品の差異化ポイントは何か。

 一言で言えば、「データの中にある全体のストーリーを見られる」ことだ。Qlik Analytics Platformのエンジンは「連想技術」を採用している。同技術は、データ同士の相関関係を自動的にひも付け、インタラクティブにデータを連結できる。柔軟性を担保しつつ、ガバナンスを効かせられるものだ。

 もう1つは、全てのビジュアルニーズに対応できることである。ビジュアルのみを重視したBIツールの多くは、いわゆるセルフサービスのビジュアルしか提供していない。

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