NECの「NISMAIL」は、「蓄積交換型ファイル転送方式」によりシステム間のデータ連携を自動化する電子データ交換(EDI)ミドルウェアである。フォルダ構造ごとの指定先にファイルを転送同期する。データファイルの転送をきっかけに指定したプログラムを自動で起動し、業務アプリケーション間のデータ連携を可能にする。
NISMAILでは、「メールボックス」と呼ばれるキューイング領域に送受信データを一時格納。「First In First Out(先入先出)」の順序で制御する。業務アプリケーションとファイル転送の間にメールボックスをはさむことで、業務アプリケーションとファイル転送の処理を分離することができる。
送受信データをメールボックス内で一意に管理するため、上書きを気にせず転送処理が可能。ネットワークやサーバ処理の負荷を考慮した転送多重度制御や間欠転送機能を装備し、独自のデータ転送手順により送信データと受信データが一致することを確認する。
ファイル転送失敗時のレジューム機能により、通信インフラが十分整備されていない地域でもファイル送達ができる。メールボックスに送受信データを保存することにより、送信が失敗したときに送信前処理を再実行したり、受信後に処理異常が発生したときに再転送したりすることが不要になる。
2016年2月22日にリリースした「NISMAIL V8」では、オプションでHTTPSプロトコルをサポート。クラウドとオンプレミスの間のようなインターネットを経由したデータ連携に利用できるようになった。さらに、データ交換によるジョブ連携性能の向上により、多頻度な転送でもデータ処理ジョブへの遅滞のないデータ引き渡しを可能にした。

NISMAILの動作イメージ(NEC提供)
用途と機能 | システム間のデータ連携を自動化するEDIミドルウェア |
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特徴 | フォルダ構造ごとの指定先にファイルを転送同期する。データファイルの転送をきっかけに指定したプログラムを自動で起動し、業務アプリケーション間のデータ連携を可能にする |
サーバ環境 | UNIX、Linux、Windows、Windows Server、ACOS、A-VX、OS/400、IBM i |
クライアント環境 | Windows 2000、Windows Server 2003/2008/2012、Windows XP/Vista/7/8/8.1/10 |
税別価格 | UNIX版が69万円から、Linux版が32万2000円から、ACOS版が92万円から、OS/400版が46万円から、Windows版が19万円から、など |
導入企業 | ハリマ共和物産、フジ、岡本、NECキャピタルソリューション、など |