ネスコの「DataClasys」は、ファイル単位で閲覧や編集、印刷などの可否を制限するファイル権限管理(IRM)ソフトウェアである。Windowsファイルシステムのドライバ上に常駐し、ファイル操作時に処理を仲介することで、ファイルの暗号化と復号を実行する仕組みである。
ローカルディスクだけでなく、ファイルサーバ、USBメモリ、ICカードなどの記憶媒体にも対応する。パスワードを設定した状態で自動起動することも可能だ。
利用権限を判断し、権限に応じた復号用の鍵情報などを配信する「DataClasysサーバ」、アカウント登録、利用権限の付与、管理者権限の付与、操作履歴の管理などを行う「DataClasysマネージャクライアント」、クライアントPCに常駐する「DataClasysユーザークライアント」というシステム構成を取る。
クライアントPCにユーザークライアントをインストールすると、それぞれにPCにユーザーIDが保存される。アプリケーションでファイルを操作する際には、サーバと通信して、ユーザーIDに基づいたセキュリティ制限をかける。そのユーザーに権限の与えられた操作しか処理できない仕組みだ。
セキュリティ制限は、マネージャクライアントで設定する。ファイルやフォルダ単位で、特定のユーザーあるいは特定グループに所属するユーザーに対して、アクセス権限を設定可能だ。アクセス権限の有効期間も設定できる。対象となるアプリケーションもマネージャクライアントに登録する。
サーバと接続されていない環境でファイル操作を可能にする「社外利用型オフライン機能」も備える。「社外利用可能なカテゴリ」で暗号されたファイルは、ユーザークライアントがインストールされているPCとIDファイルがあればサーバに接続できなくても暗号化されたファイルを利用できる。
ファミリ製品の「DataClasys Mobile Viewer」を併用すれば、DataClasysで管理しているファイルをスマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスでもPC同様にオフライン下で利用可能だ。

DataClasysのシステム構成(ネスコ提供)
用途と機能 | ファイル単位で閲覧や編集、印刷などの可否を制限するIRMソフト | |
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特徴 | Windowsファイルシステムのドライバ上に常駐し、ファイル操作時に処理を仲介することで、ファイルの暗号化と復号を実行する。ローカルディスクだけでなく、ファイルサーバ、USBメモリ、ICカードなどの記憶媒体にも対応。DataClasys Mobile Viewerを併用すれば、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスでも利用できる | |
動作環境 | DataClasysユーザークライアント:Windows XP/Vista/7/8/10 DataClasysマネージャクライアント:Windows XP/Vista/7/8/10、Windows Server 2008/2012 DataClasysサーバ:Windows Server 2003/2008/2012、Red Hat Enterprise Linux ES 4/AS 4(32ビット)、データベース:PostgreSQL 8.3 |