ティエスエスリンクの「パイレーツバスター Doc」は、ファイルに対して編集や印刷などの利用制限を付与して暗号化し、第三者による情報漏えいを防止するファイル権限管理(Information Rights Management:IRM)ソフトウェアである。セキュリティポリシーなどを設定した「ポリシーサーバ」と、クライアントPCにインストールされたソフトウェアが通信することで、この仕組みを実現している。
対象となるファイル形式は、Word、Excel、PowerPoint、一太郎、PDF、テキスト、CSV、画像、動画である。これらのファイルに対して利用権限(閲覧、印刷、編集、複製、保存の可否)を付与して、権限以外の利用を禁止する。ファイルには利用期間や利用期限も設定可能。この期間や期限を過ぎればファイルを一切利用できなくなる。
クライアントPCにインストールするのは「User Manager」「Data Locker」「Folder Locker」「Secure Viewer」。User Managerは、システム管理者がセキュリティポリシーを設定し、管理者や利用者を設定するためのソフトウェア。
Data Lockerは暗号化ファイルを管理し、Folder Lockerは自動で暗号化するフォルダを作成する。暗号化されたファイルはSecure Viewerで閲覧できる。社外でファイルを利用するには、ポリシーサーバにアクセスできる環境が必要になる。
ファイルの利用権限は、ポリシーサーバで一元管理する。部署や役職単位で利用権限を設定することも可能だ。
フォルダ単位で利用権限を設定する機能もある。あらかじめ印刷や保存などの利用権限を付与した「自動暗号化フォルダ」を作成しておくと、そのフォルダにファイルを移動、複製するだけで、自動的に利用権限が付与した上で暗号化する。
エンドユーザーがファイルを開く際にはポリシーサーバと通信して認証する。正規ユーザー以外はファイルを利用できない。ファイルが流出した場合も、権限がない第三者はファイルを開くことができない。
暗号化したファイルは通常のファイルと同じように、Microsoft OfficeやAdobe Readerなど作成元のアプリケーションで利用可能。自分に付与されていない利用権限のメニューやキー操作が使えないだけで、操作自体は通常のファイルと同様だ。

パイレーツバスター Docのシステム構成
用途と機能 | 第三者による情報漏えいを防止するIRMソフト |
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特徴 | ファイルに閲覧、印刷、編集、複製、保存の可否を付与できるセキュリティ制限を付与する。部署や役職単位で利用権限を設定することも可能 |
動作環境 | 【ポリシーサーバ】 OS:Windows Server 2008/2012、Linux(指定のJava、Tomcat、データベースが動作する環境) ミドルウエア:Tomcat Java SE 7.0/8.0、Tomcat 7.0/8.0 データベース:Microsoft SQL Server 2005/2008/2012/2014、MySQL 5.0/5.1/5.5/5.6 |
税別価格 | 基本パッケージ:50万円(別途ユーザーライセンスが必要)、ユーザーライセンス:30~99人の場合は1ユーザーあたり1万円、5000人以上の場合は5000円 |