フラッシュストレージ

なぜフラッシュが必要なのか--仮想化メインストリーム時代のストレージ考

 エンタープライズIT分野で仮想化はデータセンターに旋風を巻き起こしました。サーバ上で仮想化が実現し、データセンターは自動化が進み、柔軟性や費用対効果の高いインフラストラクチャとなりました。サーバ仮想化は2005年の段階ではわずか2%のみであったものが、現在では70%を超えるワークロードが仮想化されているという報告もあり、ここ10年でのサーバ仮想化の浸透は眼を見張るものがあります。

 ネットワークの仮想化もここ数年で急速に進み始めています。ネットワークのサービスを物理から切り離すことでサービス展開を柔軟に展開することができるようになりました。そしてソフトウェア定義データセンター(Software-Defined Data Center:SDDC)の概念が導入されると、サーバやネットワークを仮想化して統合し、これまでの物理データセンターに比べて圧倒的に効率化が図られ、大規模なコンピューティング環境を少ないスペースで整えられるようになりました。

 このような環境が整い、あらためて考えなければならないことは、データを格納するストレージがサーバやネットワークの仮想化に追随できているのかという点です。

 つまり仮想化がメインストリームになった一方、ストレージはハードディスクドライブ(HDD)のままということです。この連載ではHDDの次のストレージとして「フラッシュ」の可能性を解説したいと思います。

ストレージは大きな後れ

 

 サーバとネットワークに比べるとストレージは大きく後れを取っています。SDDCの一部として採用されたストレージの中には、仮想化が浸透し始める以前からのアーキテクチャをいまだに引きずっています。

 かつてはサーバ1台にストレージ1台の物理的な接続形態を取っており、ユーザーは稼働するワークロードに適したストレージを選択することができていました。しかしながら、仮想化が主流になった今日では、多数のアプリケーションワークロードが同一サーバ上で稼働しており、それらが同時進行でデータの入出力(IO)があります。このような環境において、従来型のストレージでは押し寄せるIOを適切に処理することができないはずです。

従来型ストレージ

 従来型ストレージのデバイスとして、以前から現在においても主流であるHDDは、CPUやメモリと比べると遥かに速度の遅いデバイスです。CPUやメモリは日々高速になっているにもかかわらず、HDDは回転速度の限界を迎えており、スピードに対する進化は難しくなっています。HDD単体での高速化が難しい中、複数のHDDを用意して並列にアクセスすることで性能は向上しますが、そのためにはHDDを大量に配置する必要があります。

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