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効率的なデータ連携が必要--「mBaaS」の活用がカギを握るモバイル対応

今や当たり前になったモバイル対応。企業はどのように取り組めばいいのだろうか。モバイル開発で重要なポイントを解説していく。

モバイル開発で重要な3つのポイント

 モバイル開発で対象となるのは、モバイル対応のアプリとウェブサイトですが、次の3点を低コストかつシンプルな形で確保する必要があります。

  • さまざまなOSに対応したクライアント実装
  • バックエンドとのデータ連携
  • モバイル固有のユーザーエクスペリエンス(UX)設計
3つのポイント
3つのポイント

 それぞれのポイントを見ていきましょう。

1.さまざまなOSに対応したクライアント実装

 iOSとAndroidはバージョンアップを頻繁に繰り返しています。OSやバージョン別の個別対応は賢明な判断とは言えません。それぞれのプラットフォームによって開発言語や環境が異なり、それに対処するには、人的資源をはじめとする多大な費用がかかります。

 その解決策の1つとして、単一のソースコードで複数のOSに対応する“ハイブリッド開発”という開発手法が広まっています。「Cordova」「jQuery」「Angular.js」「Sencha」などのハイブリッドアプリ開発フレームワークが市場に登場しています。大半のフレームワークは、クライアントサイドでもビジネスロジックやプレゼンテーション層を実装できるようになっており、クライアントとバックエンド間のデータ通信量を極小化するほか、モバイル特有のネットワークの不安定さをカバーできるようになっています。

2.バックエンドとのデータ連携

 モバイル開発というとフロントエンドの画面実装にばかり注目しがちですが、画面実装はモバイル開発にかかる費用全体の約30%と言われています。最もコストがかかる要素はバックエンドとのデータ連携です。モバイルアプリと連携する対象は、基幹システムだけでなくGoogle Mapsなどのような社外のサービスなど多岐にわたります。これらのすべてを安全に「モバイル」という自社ネットワーク外の端末と連携するには、従来のシステムアーキテクチャでは対応しきれないさまざまな考慮が必要になります。ここで有用になってくるのが、mBaaSを活用したAPIベースのデータ連携です。

 モバイルのフロントエンド実装にはデザイナーなども深くかかわります。そのようなプロファイルの開発者にとって、画面に表示するために必要なデータがバックエンドのどのサーバにあるかを深く理解するのは、とてもつらい作業です。そのため、mBaaSが提供するAPIカタログに対してバックエンド開発者がAPIを登録し、フロントエンド開発者がそれを利用する、という仕組みが普及しつつあります。

3.モバイル固有のUX設計

 モバイルアプリをよりインタラクティブにするためには、プッシュ通知や位置情報、カメラをはじめとする端末機能の活用は欠かせません。特にプッシュ通知は、メールに比べて圧倒的に反応率が高く、どのように組み込むかはモバイル対応全体にとって重要です。

 このような端末機能への対応は、これまでのウェブアプリケーション開発にはなかった要素であり、OSとプラットフォームの仕様にも依存するため、バックエンドとの連携と同じく、mBaaSを用いて実装する流れが広まっています。

 日本オラクルでは、上記の3点に対して次のような取り組みを進めています。

 複数OS対応のクライアント実装については、「Oracle Mobile Application Framework(MAF)」と「Oracle JavaScript Extension Toolkit (JET)」という2つのフレームワークを提供しています。MAFはJava開発者、JETはJavaScript開発者向けのフレームワークで、1つのソースコードで複数のOSに対応します。ユーザーインターフェース(UI)の部品も標準で提供しており、迅速かつ容易にクライアント実装できます。

 また、コーディング不要の画面実装技術として「Oracle Application Builder Cloud Service」を2016年2月から提供しています。IT担当者だけでなく業務部門でも画面を実装できる取り組みを進めています。

 バックエンドのデータ連携とモバイル固有のUX設計については、2015年5月から「Oracle Mobile Cloud Service」を提供しています。APIカタログによるバックエンドとのデータ連携、ビルトインAPIを用いた端末機能の実装により、既存資産のモバイル対応を可能にします。MAFとJETの利用ライセンスも含んでいるため、モバイル開発の中核に位置づけています。

 次回はモバイルアプリの運用とOracle Mobile Cloud Serviceの詳細、活用事例について紹介します。

生駒 浩大
日本オラクル株式会社
クラウド・テクノロジー事業統括 - Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 モバイル/インテグレーション製品マネージャー
モバイル、API管理、クラウド統合、SOA関連のプロダクトマネジメントとビジネス推進を担当。クラウドベースの最新アーキテクチャについて、既存システムとあわせてどのように上手く活用していただけるを考え巡らす日々。

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