NECは3月4日、グローバルな決済手段に対応した自動販売機向け決済基盤を発売すると発表した。訪日外国人旅行者の利便性向上や需要の取り込みを狙う。提供開始時期は9月を予定している。
自動販売機に取り付ける決済端末や複数の決済サービス事業者との中継、連携を一括して行うマルチサービスゲートウェイなどから構成されるもの。
FeliCaベースの「iD」「nanaco」「QUICPay」「楽天Edy」「WAON」に交通系ICなど国内の各種電子マネーに加え、グローバルな決済手段である磁気ストライプ、接触IC、非接触ICがベースのVISA、MasterCardなど各種クレジットカードやデビットカード、「au WALLET」などのプリペイドカードに決済端末1台で順次対応する。中国最大規模のオンライン決済サービス「支付宝(アリペイ)」をはじめとするQRコードを利用したオンライン決済にも対応予定。
従来は個々に購入が必要であった決済端末と通信モデムを一体化して提供することで、自動販売機への取り付けを容易にして導入費用を低減する。
訪日外国人旅行者は2013年に初めて1000万人を突破し、2015年は1973万人にまで拡大しており、2020年に向けて今後も増加が見込まれている。
こうした中、現在の自動販売機は、主に現金と国内の各種電子マネーのみに対応しており、インバウンド需要の取り込み拡大に向けて訪日外国人旅行者が保有する各種クレジットカード、デビットカードなどグローバルな決済手段への対応が課題となっている。