iPhoneやiPadの成功を礎に、Appleがさらに収益性を高めるために、最も分かりやすい方法の1つが、企業向け、特にエンタープライズ分野での存在感を高めることと考えられる。それを示すように、2015年、IBMとの歴史的とも言える提携を発表した。Tim Cook氏がAppleのビジネスをどのように示していくのか考えると、IBMとの組み合わせは象徴的な意味合いも持つ。Tim Cook氏の狙いを記した、2015年2月19日の記事を振り返ってみる。(アーカイブ特集「アップルの光と陰」)
Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏は先週、Goldman Sachsのカンファレンスで、AppleがIBMと提携したのは、自分がエンタープライズ分野におけるAppleの限界を悟ったからだ、と打ち明けた。
2014年に発表された「前例のない」AppleとIBMの提携からもたらされた成果はまだそれほど多くない(これまでのところ、両社は特定の垂直業界向けのエンタープライズアプリを10本発表しただけだ)。しかし、両社の提携がこれから生み出すさまざまな成果については、多くのことが語られてきた。

特別なものを作るのには時間がかかる。筆者は両社については、疑わしい点も好意的に解釈しようと思っている。AppleのCEOのTim Cook氏がそもそも提携を実行した理由も説明しているのだから、なおさらだ。
先頃、サンフランシスコで開催されたGoldman SachsのTechnology and Internet Conferenceで講演を行ったCook氏は、AppleとIBMがどうすれば互いに助け合えるのかを詳細に説明した(iMoreの厚意により、筆記録の抜粋を掲載)。
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