日立製作所の「JP1」は、2016年1月13日に新版となる「JP1 Version 11」をリリースした運用管理ソフトウェア。新版では、SaaS提供とその関連機能として、国内向けにIT資産管理と高速データ転送サービスを開始した。
障害発生時の対応と復旧を効率化する新製品、パブリッククラウド上のジョブを管理し、オートスケール環境を実装する新機能を提供。アプリケーション開発においてREST APIにも対応している。
このうち、システム障害発生時の原因究明分析を迅速化するための新製品は「JP1/Operations Analytics」。クラウドや仮想化の利用で複雑化する情報システムで、サーバやストレージ、ネットワークといったシステム全体の構成要素を自動収集する。業務システムとの相関関係の可視化、障害の発生箇所や原因の特定に必要な情報の抽出、原因分析や影響把握の迅速化を図ることで、運用を効率化できるようにする。
管理者のスキルやノウハウに依存していた作業を自動化し、影響範囲の拡大や復旧作業の長期化を防止する。

JP1/Operations Analytics
AWS上のジョブも管理
アクセス急増時などにサーバの処理能力を自動強化するオートスケール機能の重要性が指摘されている。急増時のみパブリッククラウドにトラフィックを流すといった利用形態が増えており、それに対応する形で、Amazon Web Services(AWS)上のジョブも管理できる仕組みを「JP1/Automatic Job Management System 3」に実装した。

オートスケール機能を強化し、AWS上のジョブも管理できるようになった
また、REST APIにも対応。ウェブを基盤に、散在する複数のアプリケーションをつなげて1つのアプリケーションを迅速に構築する、今後増加が見込まれる手法も採用できるようにした。
用途と機能 | SaaS提供、パブリッククラウド連携も開始した運用管理ソフト |
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特徴 | システム運用管理ソフトウェアとして大企業を中心に多くの企業が導入。SaaS提供、パブリッククラウド上のジョブ管理機能の追加など、製品アップデートを重ねている |
導入企業 | 伊藤忠テクノソリューションズ、日本通運、住友林業 |