ジュニパーネットワークスの「QFabric」は、複数のLANスイッチを仮想的に単一のスイッチとして運用できるネットワーク仮想化基盤である。データセンターのように複数のLANが混在する大規模ネットワークにおいて、仮想的にネットワーク全体を単一の階層に平坦化することが可能になる。全てのアクセスポイントを同等に扱えるようになるので、ネットワークの局所性による影響を軽減できる。
QFabricシステムは、レイヤ2とレイヤ3に対応したLANスイッチ「QFabric Node」を、高速伝送デバイス「QFabric Interconnect」に接続することで単一のスイッチとして動作させる構成をとる。QFabricシステムは、制御管理サービス「QFabric Director」で一元的に管理できる。
製品ラインアップには、中規模データセンター向けの「QFX3000-M QFabricシステム」と大規模データセンター向けの「QFX3000-G QFabricシステム」の2種類のモデルがある。対応するイーサネットポート数は前者が最大768個、後者は最大6144個である。
QFabric Nodeとして利用できる同社製スイッチは、10GbEに対応する「QFX3500」、40GbEに対応する「QFX3600」、10G/40GbEに対応する「QFX5100」の3種類。QFabric Interconnectは、QFX3000-M向けの「QFX3600-I」(16ポート収容)とQFX3000-G向けの「QFX3008」(16ポート収容可能な通信モジュールを最大8枚搭載)の2種類がある。QFabric Directorは、QFX3000-M、QFX3000-Gともに「QFX3100」である。

QFabric Nodeである「QFX3600」(ジュニパーネットワークス提供)
用途と機能 | データセンター向けのLANスイッチ仮想化システム |
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特徴 | 複数のLANにまたがる複数のスイッチを仮想的に1台のスイッチとして運用できる |
税別価格 | QFabric NodeのQFX3500:482万8000円から(2011年の発表時の日本円参考価格) |
導入企業 | ヤフー、情報通信研究機構、DMM.comラボ |