メルー・ネットワークスの「Meru Networksアクセスポイント+コントローラ」は、複数のアクセスポイント(AP)を単一のチャネルで運用可能な無線LANシステムである。
Wi-Fiを利用した無線LANは通常、機器間の干渉を回避するために近隣のAPに異なるチャネルを設定する。これに対して、同社製品は、同一チャネルの干渉を制御する技術「シングルチャネルデプロイメント」を採用したことで、全てのAPに同じチャネルを設定できる。無線LANに接続するクライアントからは、仮想的に単一のAPに見える。
コントローラがクライアントに対して、最適なAPを判断して通信を制御するので、ピンポン(近隣のAP間で接続が頻繁に切り替わる状態)やスティッキー(前の接続を引きずって最も近いAPに接続できない状態)などの問題は起こらない。
複数のクライアントが接続している状況では、データ通信量ではなくアクセス時間を均等に振り分ける機能を備える。これによって、さまざまな通信速度のクライアントが混在している環境において、高速な端末が低速な端末に引きずられて遅くなるといった問題を防げる。
アクセスポイント製品は、最大データ伝送速度が300M~1300Mbpsの全8モデル。対応する無線LANはIEEE802.11b/g/n。一部のモデルはIEEE802.11nの後継であるIEEE802.11acにも対応。全モデルとも、イーサネットの通信ケーブルを利用して電力を供給する技術の標準であるIEEE802.3afに対応する。
コントローラ製品は、サポートするAP台数が最大50台(同時アクセスクライアント数が最大1000台)から最大5000台(同5万台)の全4モデルを提供する。
なお、2015年にFortinetがMeru Networksを買収しており、米国ではMeruの製品をFortinetのブランドで販売している。
用途と機能 | Wi-Fiを利用した無線LANのアクセスポイントとコントローラ |
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特徴 | 複数のアクセスポイントを設置した環境において、クライアントからは単一のアクセスポイントに見える仮想無線LANを構築できる |
導入企業 | 大阪ガス、イトーキ、加森観光(北海道ルスツリゾート)、など |