Amazon Web Services(AWS)の「AWS IoT」は、IoT(モノのインターネット)向けアプリケーションの構築を支援するクラウドサービスである。
仮想マシンなどのシステムリソースをコードで自動で管理する「AWS Lambda」、ストリーミング処理「Amazon Kinesis」、オブジェクトストレージ「Amazon Simple Storage Service(S3)」、機械学習「Amazon Machine Learning」、分散型キーバリューストア(KVS)「Amazon DynamoDB」などのクラウドサービスとさまざまなデバイスを接続し、そこから発生する大量のデータを収集、処理、分析できる。
デバイスとサービス間の通信にはHTTPのほか、IoTと機械間通信(M2M)に最適化された軽量プロトコル「MQTT(Message Queue Telemetry Transport)」を使用し、デバイスゲートウェイを介して接続する。業界標準プロトコルと独自プロトコルにも対応する。複数の異なるプロトコルを使用しているデバイス同士でも相互に通信できる。
AWS IoTは、すべての接続ポイントで相互に認証され、データが暗号化される。デバイスとAWS IoTの間で身元が証明されたデータだけを交換する。さらに、AWSの認証サービス「Identity and Access Management(IAM)」と連携することで、各デバイスやデバイス群ごとに権限を細かく設定することも可能である。
ルールエンジンが用意されており、センサなどのデバイスが生成したデータを設定したルールに基づいてフィルタリングや変換処理を行い、別のデバイスやクラウドサービスへと配信。データを収集、処理、分析し、データの値に応じたアクションを自動的に実行するアプリケーションを構築できる。
デバイスがオフライン時にデータのやりとりを可能にする「デバイスシャドー」という領域を確保する。オフラインになったデバイスに向けてデータが送り続けられているような場合でも、デバイスシャドーがそれを受け取り、処理を継続する。
ソフトウェア開発キット「AWS IoTデバイスSDK」を提供する。AWS IoTデバイスSDKは、C言語とNode.js、Linuxベースのシングルボードコンピュータ「Arduino Yún」プラットホームをサポートしており、オープンソースプロジェクトとして自由に利用できる。

AWS IoTの画面(Amazon Web Services提供)
用途と機能 | IoT向けアプリケーションの構築を支援するクラウドサービス |
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特徴 | AWSが提供する各種クラウドサービスとデバイスを接続可能。そこから発生する大量のデータを収集、処理、分析し、結果に応じたアクションを実行するアプリケーションを構築できる |
税別価格 | アジアパシフィック(東京)で、100万通のメッセージあたり8ドル |
発表日 | 2015年10月8日 |