インターシステムズジャパンの「InterSystems Caché」は、さまざまなアクセス方法に対応可能なマルチモデルデータベース(DB)プラットフォームである。リレーショナルデータベース(RDB)に内在するさまざまな制約を回避できるため、実行時のデータ冗長性、それに伴う処理オーバーヘッドを少なくできる。さらにメモリを最大限に利用するように設計されており、結果として高速処理を実現している。
Cachéでは、多次元配列と呼ばれるキーバリュー構造にデータを格納。そのデータ領域は管理効率がよく、経年に伴うデータ断片化は発生しない。データベース全体を検索せずに、クエリ条件にあったインスタンスを効率的に見つける独自技術「トランザクショナルビットマップインデックス」を採用することにより、複雑なクエリや大規模データ検索を高速に実行する。また、トランザクショナルビットマップインデックスを応用して集計処理用に設計された「ビットスライスインデックス」を使用することにより大量データを高速に集計処理できる。
データの格納とアクセス方法として、各種オブジェクトアクセス、SQLアクセス、キーバリューアクセスの3つに加え、マルチバリュー、XML、ドキュメントなどマーケットが求める多種多様なデータ形式をサポート、同じデータに対してさまざまなデータ形式で同時にアクセスできる。SQLは、標準的なSQL構文全般に加えて、他のデータベースで一般的な拡張機能や独自のオブジェクト拡張機能を含む仕様をサポート。ODBC、JDBCからアクセスできる。
アプリケーション開発用に、専用のオブジェクト指向スクリプト言語「Caché ObjectScript」と、BASIC言語をもとにした「Caché Basic」「MVBasic」を用意。これらの言語はCachéのキーバリュー構造を直接操作することもSQLクエリをCaché ObjectScriptのプログラムコードで実行することもオブジェクトを直接操作することもできる。
アプリケーション構築には、上記の言語のほか、Java、C++、.NETを使うことも可能である。Javaと.Netでは、「Caché eXTreme」技術により、軽量なバインディングを提供。これにより、オブジェクトをCachéの多次元データベースに直接格納できる。さらにREST/JSONもサポートしており、さまざまな開発言語、開発環境と連携できる。

InterSystems CachCachéの統合データベースアクセス(インターシステムズジャパン提供)
用途と機能 | オブジェクトアクセス、SQLアクセス、キーバリューアクセス、ドキュメントアクセス、多次元分析などさまざまアクセス方法に対応したマルチモデル対応データベースシステム |
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特徴 | メモリを最大限に有効活用することにより性能劣化を回避し、処理の高速化を図っている。アプリケーション開発用にCaché ObjectScript、Caché Basic、MVBasicを用意。その他ビジネスロジック構築に、Java、C++、.NETやさまざまな開発言語、開発環境を使うことも可能 |
発表日 | InterSystems Caché 2015:2015年2月25日 |
導入企業 | 欧州宇宙機関(European Space Agency:ESA)、杏月会 空の森クリニック、母子愛育会 総合母子保健センター愛育病院、辰巳商會、PALTAC、メディセオ、赤松化成工業、鳥取市立中央図書館、八王子図書館、イオン、日本通運、ワイエスフード、など |