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SMBのクラウド移行には「さまざまな条件」--ノークリサーチ

 ノークリサーチは2015年の国内中堅・中小市場におけるクラウドへの移行と障壁に関する調査を実施し、その分析結果を12月7日に発表した。

 調査は同社が発刊するレポート「2015年版 中堅・中小企業におけるクラウド活用の実態と展望レポート」に向けて行われたもので、日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業において企業経営もしくはITの導入/選定/運用作業に関わる職責の人物を対象として10月に実施し、700社から有効回答を集めた。

クラウド活用は「新規導入」と「同一アプリ移行」が主体、アプリの変更を伴う移行は少ない

 調査は対象を年商規模ごとに区分し、「情報共有」「顧客管理」「会計/決済」「セキュリティ」「販売/仕入/在庫/生産」など10分野にわたる業務システム区分におけるクラウド活用状況について実施した。

 下のグラフは、その中の年商5億円以上~50億円未満の中小企業層における「情報共有」(メール、グループウェア、オンラインストレージサービスなど)の活用状況についてたずねた結果を抜粋してプロットしたもの。


(ノークリサーチ提供)

 このグラフと関連するデータでは「新規導入済み」が多いことから、オンラインストレージサービスなどの新規導入に至ったケースが少なくないことが分かる。また、「同一アプリで移行済み」も比較的多いことから、メールやグループウェアなどにおいてオンプレミス形態と同じアプリケーションを維持しながら、クラウドに移行するケースが比較的多いことも読み取れる。

 一方、「別アプリから移行済み」「別アプリから移行予定」「別クラウドから移行済み」「別クラウドから移行予定」の回答割合はいずれも低い。

 したがって、こうした企業へシステム提案を行うクラウド事業者や販社/SIerにとって、アプリケーションの変更を伴うクラウド活用提案は難度が高く、またクラウドに既に移行済みのユーザー企業に対して別のクラウドへ移行する提案も容易ではないと考えられる。

ユーザーあたりの月額費用を見ると「情報共有」では微減、「顧客管理」では微増の兆し

 クラウド利用に対して支払う(導入/移行予定の場合は「支払う予定」として質問した)1ユーザーあたりの月額費用について、業務システム区分「情報共有」「顧客管理」の2つから抜粋したのが下のグラフ。


(ノークリサーチ提供)

 平均金額を比べてみると情報共有分野では「導入/移行済み」>「導入/移行予定」、顧客管理分野では「導入/移行済み」<「導入/移行予定」となっている。情報共有はASPの時代からサービス形態の利用が見られたこともあって価格面での競争も激しい状況であるのに対し、顧客管理ではサービス内容が日々発展しており、機能面での差別化ポイントも多数あることが要因の1つと考えられる。

年商5億円未満の小規模企業では「クラウド移行を主導する社内人材不足」が最大の障壁

 調査では導入時の課題とその解決策についても尋ねている。最も成功したと考える業務システム分野のクラウド利用を1つ選び、その際に経験した最大の障壁を尋ねた結果の中から、年商5億円未満の企業層について抜粋してみると、「クラウド移行を主導する社内人材がいない」「社外にデータを置くことが不安である」「クラウド移行作業にかかる費用負担が大きい」「クラウド事業者による障害が心配である」「運用管理における社内作業負担が大きい」「想定していたよりも費用負担が大きい」といった項目が多く挙げられている。

 詳細は割愛するが、こうした課題の中には「クラウド事業者や販社/SIerの支援」によって解決できた課題もあれば、「実際に導入してみたら、それほど問題にならなかった」という課題もある。クラウドを提案/販売するクラウド事業者や販社/SIerとしてはそれぞれの課題に対してユーザー企業にとって効果があったと考える適切な解決策を講じていくことが重要となる。

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